ウチの団地はもともと山の上に建てたから
水の害は心配ない。
そしてまあ、ご多分に洩れず鉄筋コンクリートだから
狼が頑張って吹いてもビクともしない。
嵐が来ようとも百人乗っても大丈夫。
問題はいざという時にウチに居るかどうかである。
(嵐が来ようとも)
お祭りって神様や仏様とかの為にやるんだよね。
なんか奇抜なお祭りって結構多くない?
内輪で楽しんでるっていうか
寧ろ悪ふざけとしか思えないようなのとか。
度が過ぎて、たまに死人が出たりするのあるよね。
神様やらが「え、これ自分の為にやってるの?マジ?」
って置いてきぼりになってなきゃいいけど。
ってか、引くよねこれって祭りよくあるよね。
意味分からな過ぎて。
なんか人間が集まってて楽しそうだから、よく分かんないけど
ま、いいかって喜んでくれてんならいいけどね。
(お祭り)
迷い、悩みを抱え
押し潰されそうな私は
部屋の隅でうずくまっていた。
その時、眩しい光とともに
私の目の前に
気高くも美しい人が現れ、そしてこう言った。
「私は神です」
・・・
迷わず目の前の不法侵入者を通報した。
(神様が舞い降りてきて、こう言った。)
誰かのためにすることが
自分のためになるならば
悪くないんじゃない?
自分を損なって
誰かのためになにかするのは
その誰かにキッツい思いを
させるかもよ。
え?それを狙ってるの?
そりゃ、キツい。
(誰かのためになるならば)
ウチの団地の前の棟に
物干しに鳥かごが吊るしてあるうちがあった。
ただ鳥は飼っていない。
鳥かごの中に南部鉄の風鈴がぶら下がっていた。
意味が分からない。
一年中ぶら下がってるから、冬の寒い日でも
ちり~んといい音がする。なんとも寒々しい。
風の強い日はガチャガチャとなかなかの騒音がしていた。
数年はそのままだったが、そのうち音が聞こえない日が続き
気が付くと鳥かご風鈴は無くなっていた。
なんのつもりだったのか。
まあ、各棟それぞれ事情があるのだろう。
介入する気は全く無いが
数年にわたり耳に付いた風鈴の無駄にいい音が
聞こえなくなると、それはそれでしばらく気になった。
(鳥かご)