冬は星空を見るのが好きだ。
外の空気も好きだし、団地のベランダで
冬の賑やかな星空を満喫するのは悪くない。
夏はそもそも外に出たくない。
団地のベランダに出て長居しようもんなら蚊に食われる。
各戸の室外機が音をたててうるさいし暑苦しい。
とてもじゃないが星空を眺めようなんて気は起きない。
まだ梅雨も明けてないけど
とっとと冬来てほしいザマス。
(星空)
神様だけが知っている
神様を創造したのは人間だと。
(神様だけが知っている)
ずいぶん前に路肩に乗り上げた。
スタートが変わらない人達は
はるか先に進んでしまってもう見えない。
そして後から来る人にどんどんどんどん
抜き去られていく。
はい、道に戻って戻って。
止まってはいけない。
そんな暇ないのは分かっているでしょう。
だいぶ遅れてしまったけど
ススメ、ススメ
とにかく、ススメ
先へ、先へ
いいから、ススメ。
(この先の道に)
今日はプラごみの日。
収集所まで捨てに外に出ると
既に日差しが激強で、無防備な腕が
ジリッと音をたてた気がした。
暑い…
おあ、ミミズが干からびてる、なーむー。
ひっ!デッカイ蜂が…よろよろ歩いている。
ここは地獄か?
やっとこさプラごみを置いてウチへ戻る階段の踊り場。
降りてきた上の階の人と挨拶をする。
「おはようございます。…!!」
帽子、サングラス、マスク、手袋
長袖、長ズボン、上から下まで黒ずくめ。
二度見してしまった。
「おはよう、今日も暑いわね」
そりゃ暑いでしょう。
お日様アレルギーだろうか?
絶対日焼けしないマンか?
地獄で更に責め苦の上乗せとは
確定出来ないが、おそらく上の上の階のおばさんマジスゲー。
(日差し)
小2の頃には既に学校に遅刻ギリセーフで駆け込むことが
日課になっていた私。ウチから小学校まで7分の距離を
いかに縮めるかに身命を賭していた。
と言うわけで玄関でて、いきなり猛ダッシュなのだが
通学路をショートカットして走り抜ける団地群の
北側を通ると和室の窓からいつも
全力疾走するこちらを見ている人がいた。
こちとら必死で走ってるし、既に近眼だった私には
ボンヤリとしか見えないのだが、朝必ずいた。
まあ帰りはちゃんと通学路を守って帰ってたので通らんから
昼も夜も窓から覗いているかは知らんのだが。
それがある日パッタリいなくなった。
数日気にして見てみたり、この私が朝5分早く出てその窓の下で
待ってみたりしたのだが、和室の窓は空っぽだった。
だいぶ後から聞いた話だが、そのウチには夫婦と子供二人と
おばあちゃんが住んでたそうだが、旦那さんが亡くなってすぐ
おばあちゃんだけが引っ越したそうだ。
そのおばあちゃん…だったのかな?
遅刻ギリで走るアホな小学生を窓越しに見て
笑ってくれていたのならいいのだけど。
(窓越しに見えるのは)