姉が前の彼氏さんと住んでた家で
ブルーグレーのメスの子猫を飼っていた。
スマートで顔が小さく、美人だ美人だと姉が溺愛していた。
ただ、とても臆病で繊細だと心配をしていて
二人して泊まり掛けで出掛けるときには
かの子猫の為に日当を払うからと留守居を頼まれたことがある。
まあ、留守番は構わんのだが、私一人になると奴は豹変するのだ。
テレビでも見ようとリモコンを手にすれば噛みつく。
それでもテレビを見てると今度はテレビの上に乗っかり
尻尾を画面の前にゆらゆら垂らして邪魔をする。
コタツに腰を入れて寝転がっていると頭に乗っかってきて
パンチしたり噛みついたり。
姉がいるときのしおらしさはどこへやら。
高いところからこちらを睥睨するあの姿は明らかに
姉>自分(猫)>>>>>>>>>>私とお思いのことだろう。
ともかく奴との留守番を請け負うと
結構傷だらけの憂き目に遭ったものだった。
あれから何年たつかな。姉は彼氏さんと別れて
猫ともお別れした。次の彼女さんが猫を気に入ったらしい。
もう会うこともないが、せいぜいしおらしくして
幸せになっててほしいものだ。
立冬、先週来たよな…
まあ11月に夏日がくるんだから、その辺はどうでもいいのか。
私のフトコロ具合はまさに秋風が吹いている。
ハロウィンジャンボは300円に終わった。
年末ジャンボ発売は来週だな。
あ~、微動だにしない生活を送りたい。
「また会いましょう」
と言う字面を見て、真っ先に思い出したのは
またあおオニだった。
まさかの桃太郎伝説。
実際、また会いましょうとキチンと別れた人いないから。
学生時代友達いなかったし。
まれによく分からん宣告を受ける、なんてのがあった位。
まあ、退職時の大変お世話になりましたが関の山だな。
後はほぼほぼフェードアウト。
そういえば教育実習生は泣きながら言ってた気がするな。
かすかに遠い記憶。
もちろんまた会ったことはないけどね。
風呂気持ちよかったな~。
ここんとこ急に寒くなったもんだから、長湯しちゃったよ。
ちょっとのぼせたなと朦朧としていた。
身体をよく拭いて、パンツを穿こうと足を入れた途端
ぼてっ…
何かが足に当たってパンツから落ちた。
朦朧と霞む視界に飛び込んできたのは
カメムシーー!?ーーーーっいいっぎゃーーー
声にならない声をあげて、おののいた。
いや、油断しきった風呂上がりになんというスリル。
洗濯物をこむ時は目一杯はたこう。
今日も今日とて、落ちてた鳥の羽根を集めて作った翼で
飛ぶ練習をしよう。
高さが足りないから羽ばたく回数が稼げないんだよな。
よし、思いきってあの崖の上からチャレンジだ。
下に都合よく池があるから失敗しても大丈夫だろう。
意気揚々、崖っぷちにたたずむ。
手作り感満載の二つの翼を両手に持ち懸命に羽ばたきながら
飛んだ--
いや、池に落ちた。
なんとか池から上がったが翼は無くなってしまった。
あ~あ、また羽根を集めなきゃ。
やっぱり崖っぷちでジャンプしてからの方が…
などと考えてたら、池の上に女神っぽい人が現れた。
「私は泉の女神、あなたの落としたのはこの飛べない翼?」
あ、泉なのかと思いつつ、飛べない翼と言われたことに
がっかりした。
「ごめんなさい、ではこちらの飛べる翼を差し上げます。
ただし、あなたの両腕と引き換えになります」
…迷わず飛べない翼を返してもらった。