話があると
僕の部屋へきて2時間
君は黙ったまま　

レモン入りの炭酸
グラスの淵についた気泡が
一つまた一つと剥がれていく
　
　冷たくないだろうと氷を足す

気泡は暴れるように増え
浮かぶ

　僕の気持ちは沈んでいく

　
　

⭐︎ぬるい炭酸と無口な君

　伝えたい想いを
淡い紫色の便箋に
したためだけれど


臆病と勇猛の
波にさらわれた手紙

机の奥に漂っている



⭐︎波にさらわれた手紙✉️

　君の誕生日は
小川で魚つかみや
スイカ割りをしたり

君といる時間は
水飛沫がキラキラしていた
夏休み

一週間しか会えないけれど
8月、君にあいたい



⭐︎8月、君にあいたい

　隣で微笑む君の笑顔が
可愛くて
照れた僕は
夜空を見上げたけれど

　月も星も
　太陽も花も
君といるとすべてが
宝石みたいに眩しくて

　ありきたりだけれど
幸せってこうして
思えることなんだね



⭐︎眩しくて

　
　
　一瞬の静寂からの
　
　大歓声
　
　飛び散る汗と真剣な眼差し
　
　熱い鼓動が全身を走る
　
　そこにいる大勢の人たちが

　君を目で追う

　地響きがするほどの大歓声

　全てがあつかったあの日
　
　いつまでも忘れない
　
　
　
⭐︎熱い鼓動