ねえ、
あの一番星追いかけて。
車にのりこみながら
少し弾んだ息で
君はそう言った。
どうしたの?
と揶揄うようにきみの顔を覗くと
なんだか今日はとても綺麗にみえるからと笑顔でこちらを見る
そうなんだ。
と微笑んで車を走らせ
今日一日の出来事や
これからの旅行のプラン
あたりが真っ暗になった頃
一番星、忘れてたねって
君は少し照れながらこちらを見た
実はね、
伝えたいことがあって
俯くから、
もう少しで海につくから
そこで聴いてもいい?
と尋ねると
うん。ありがとう。って俯いた
まま君は言った。
車を降り砂辺を歩く。
暗い海を前に
潮風が気持ちいいねって尋ねると
あのね、実はね、
私、お母さんになるみたい。
…え?
ダメじゃない。
身体冷やしたら。
すぐ車に戻ろう!
クスッと笑う君は
あなたと一緒でよかった。
と
一番星があった夜空を
見上げながら、
一番綺麗な笑顔で言った
終わった日を振り返り
過ぎず、
遠い夢を見過ぎず、
そのままの自分を見つめ
今を生きる
⭐︎今を生きる
下校時間ギリギリまで
君と紙飛行機折ってどちら
か遠くまで飛ばせるか
競争してたね
あれから何年経っても
君に勝てなかった事と
好きだと言えなかった事、
蝉が鳴き始めると
思い出す。
久しぶりに折ってみた。
飛べ、紙飛行機
君にとどけ
⭐︎飛べ紙飛行機
今日は思っていたよりも
早く仕事が終わり、
カフェにでも寄って帰ろうと
思い、以前から行ってみたかった
カフェへ車を走らせた。
若い子たちがオシャレで"映える"カフェとはまた趣きが違うが
私の中の落ち着いた雰囲気の
おしゃれなカフェ(喫茶店)。
店内に流れる音楽が
違う世界感へ心を誘う。
席へつき、お目当てのオレンジティーを注文し、
先月から読みたかった小説を
めくる。
今どきはスマホやタブレットで
簡単に買え、そのまま読むことができるのだろうが、
あえて"本"を買い、
こうした何気ない特別な時間に
読む贅沢。
私の思いつき
スペシャルデーは今ここに。
⭐︎スペシャルデー