やるせない
なんて最近思ったことがあるだろうか
晴らせなくても心の奥に閉じ込めて
そっと隠すように見ない振り
やっばり最近思うことが多いかもしれない
毎日楽しく面白く自由に生きているし
困ることは多少あるけどちゃんと解決できてるし
やっぱりやるせないなんて思わないかも
やるせない。そもそもどういう意味だったか…
・憂い、悲しみを紛らわそうとしても、晴らしどころが無くてせつない。
そっか私はやるせなかったんだ
この気持ちはそうだったんだ…
ただ悲しいとか憂鬱とかじゃなくて
重なって厚くなって変わっていった感情なんだ
「おもて」と「うら」という言葉は
なんの含みもなくただ事実を述べている
「その言葉には実は裏があって…」だの
「表向きにはこうだけど本当の私は…」だの
なんだかんだと騒いでは
おもてやうらがあるのが格好いいと勘違い
思いのままに過ごせばいい
思いのままに話せばいい
納得のいく自分であればいい
他人に遠慮する必要なんてない
割り切ってしまえば楽なのに
それが出来ないから裏がある
ひっくり返した石の裏で
小さなアリが一生懸命働くように
嘘まみれの表の裏で
自分を押さえ込むのに一生懸命
裏返してしまわないよう一生懸命
今はまだ人として生きていたい
もし死んだら鳥のように飛んでいきたい
人として縛られて不自由な暮らし
死んでもそんな風になるのは嫌だ
なら鳥になればいい
鳥のように空を飛びたい
鳥だって自由とは限らない
そうだろう?
毎日ちゃんと食べられるわけでもなく
温かいところ涼しいところで寝られるわけでもなく
ゲームをして楽しめるわけでもなく
友達と遊べるわけでもない
今の方がよっぽど自由だ!
君はどうして鳥に夢を見る?
君はどうして人をやめたい?
簡単な話だろう?
君は自らの力で我々の手の届かない
広い空を飛んでみたいんだ
強く生きる自由な鳥のように
移りゆく世界は
全部全部青色で
いつしか茜色に
変わってゆく
流れる雲に色を足して
空一面を覆うように
薄く広く軽く広がる
何故あんなにも綺麗なのだろうか
何故あんなにも美しいのだろうか
何故あんなにも穢れを感じないのだろうか
何故……
混ぜられる模様に
空の儚さを知り
一瞬とて同じ姿になれず
今日も何者にもなれない空が
何者にもなれる我等を嗤ってる
鏡の中にはもうひとりの自分がいて
理想と現実の境界線を引いてくれる
心の中が見えるなんてことはなくて
そこには自分が思う自分しかいない
醜い顔をしているならば
酷い顔をしているならば
それが己の欲望であると
ちゃんと分かっていなければ
鏡の中には夢があって
そこには理想の自分がいて
理想の相手がいて
理想の心がある
鏡の中は案外暗くて恐い所なのかもしれない