時間よ止まれ
呪文を唱えれば、自分以外の全てが止まる。
そんな魔法が使えたら、どんな時に使うだろうか。
好きな人と過ごしている時?
夢を叶えた瞬間?
交通事故が起きる寸前?
様々な場面で使えるんだと思うが、
それは時間が止まっているわけではなく、
動きが止まっているだけ。
そもそも時間というのは、人間が作り出したものだから元から存在しないわけで、止めることも動かすことも出来ないんだと思う。
時は流れることで、日常を創るものだから。
だけど、敢えて時間を止めるなら、呪文を唱えるなら、どんな時だろう。
ベストな瞬間は、女の子のスカートが強風に煽られ、捲れ上がった瞬間なのだと思う。
夜景というと、スポットは全国にいくらでもある。
冬になれば各地でイルミネーションが点灯するので、さらに夜景を楽しむ機会が増える。
疲れた心を癒してくれる。
恋人達のムードを最高潮にしてくれる。
感じたことのない感動を与えてくれる。
夜景は現代人にとって、なくてはならないものになっている。
スポットを求め、車で遠くに出掛けるのも良いだろう。
だが、私は自分が住む街の夜景が最も好きだ。
田舎だから、派手な夜景ではないが、空を見上げると月と星が輝き、たまに飛行機が飛んでいる。これも立派な夜景。最近できたカフェの看板がポツリ。遠くに見えるのも立派な夜景だ。
景色が、派手さが、規模が問題ではない。
その夜景を見て、自分がいかに心落ち着かせることができるか。それが夜景を楽しむポイントなのだと思う。
でも、やっぱり、夜は暗い方が落ち着く。
君と見た花畑が今でも鮮明に記憶にある。
あれは、20年前の話。
イルミネーションが見たいと突然言われ、
車を走らせた。
着いたのがまだ明るい時間だったから、
植物園を散策しようって、3万本のチューリップが植えられている花いっぱいのガーデンを腕を組んで歩いた。様々な色の花に目を輝かせ、普段目にすることがない景色に素直に感動していた君が印象的だった。
君は今、どこで誰と何をしているのだろう。
ふと、そう考える時がある。
あの時の花畑と同時に甦る君の輝いた目。
僕の記憶から何十年経っても離れない。
それは、チューリップの花畑が残っているからではない。君と見た景色だから、忘れられないんだ。
空が泣く
平和な世界を願って
君からのLINE
僕に元気を与えてくれる。
鼓動を感じながら開くLINE。
僕が送ったのも同じ気持ちで
開いてくれているかな。
既読にならないと心配になる。
返事がないと切ない。
LINEだけで満足できず、すぐに会いたくなる。
声が聞きたくなる。
そう思わせてくれる君と……
出会いたい。