【誰にも言えない秘密】
よく「他の誰にも言わないでね」という相談を受ける。
私は、その口約束を破ったことがない。
いや、破れないだけなのだ。
正直、他人の秘密というのは、あまり興味のないものが多い。自分とは関係ない誰かの恋愛や家族事情に対して興味を持つ方が失礼かもな、と思っているからだ。
でも、そんなことを考えていても、考えていなくても、結局しばらく経つと、言われた秘密を忘れているから、他の誰かに暴露することなんて出来るはずがない。
ただ、自分に関する秘密だと簡単には忘れられないし、誰かに伝えることも難しい。あいにく、今の私は、まだこの場で秘密を打ち明ける度胸がないようだ。
【狭い部屋】
新しい自宅の自室は、自分にとって広すぎる空間だ。
でも、友達を一人でも招き入れた途端に「あ、狭いな」と感じることがあるのは、なぜだろう。
【正直】
相手が正直であるかどうかを判断するためには、
相手が嘘をついているかどうかを考えないといけない。
【梅雨】
正直、私はあまり梅雨が好きじゃない。
視界は悪くなるし、空気はジメジメするし、ぬれるし、独特な匂いがするし、傘を差すのはめんどくさいし……
なにより青空を見られないことが残念なのだ。
ただ「梅雨」というものに“美”を見いだしてきた人々の感性や作品に触れると、梅雨も悪くはないよなぁ~~と思うことがある。
【天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、】
「今日は、晴れてるね」と窓を見ながら呟く。
「そうだね。いい天気」と相手が返事をする。
それだけで終わる会話。沈黙だけが続くだけの空間。
まるで決まり文句となった天気の話。
とりあえず何か話題があれば、会話が続くだろうと思うのだけれど、コミュニケーションが苦手な者同士だと、うまくはいかない。
でも、せっかく顔見知りになれたから、次はもっと
お互いのことを知りたいし、知って欲しい。