【天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、】
「今日は、晴れてるね」と窓を見ながら呟く。
「そうだね。いい天気」と相手が返事をする。
それだけで終わる会話。沈黙だけが続くだけの空間。
まるで決まり文句となった天気の話。
とりあえず何か話題があれば、会話が続くだろうと思うのだけれど、コミュニケーションが苦手な者同士だと、うまくはいかない。
でも、せっかく顔見知りになれたから、次はもっと
お互いのことを知りたいし、知って欲しい。
【ただ、必死に走る私。何かから逃げるように。】
やりたくないこと、でも、やるべきこと。
辛くて苦しいこと、でも、やりとげるべきこと。
それらから、私は逃げ続けている気がする。
「自由を追い求める」という言葉を言いわけにして。
本当は、はっきりと分かっている。
誰にだって果たすべき義務と責任はある。
ただ、私はそれらを果たすことが少々めんどくさい。
それだけの理由で、私は逃げ続けている。
ふと後ろを振り返ると、目を背けていたモノ達が遠くに見えた。これまで私は追われているのだと思っていた。
でも、違った。ただ、そう思い込んでいたんだ。
私が自分勝手に距離を置いている“だけ”なんだ。
【「ごめんね」】
とっさに「ごめんね」を言えないのはなぜだろう。
【半袖】
暑くなってきたし、そろそろ衣替えの時期かな。
でも、長袖から半袖に変わるのって少し勇気がいる。
【月に願いを】
窓から見える月は、相変わらず美しい。
月は、とある星に落ちてきた隕石によって、二つの惑星に別れたことで誕生したとされる説が有力らしい。
そして、月と一緒に生まれた双子の惑星が、地球だ。
二つの星は互いに寄り添い、くるくると回っている。
だからこそ、月を見ていると、離れた場所にいる友達と会えなくても、心は通じているような気がするのだ。
もしも月に願うことがあるとしたら、私は遠くで頑張る友達が幸せでありますように、と願うかもしれない。