【ハッピーエンド】
エンドというのは、物語の終わりのことなのだろう。
ならば、私の人生の終わり、「エンド」は何だろうか。
やはり死を迎えて、葬儀の時に魂だけになって、今までの人生を振り返りながら成仏することが、人生のエンドであると考えられるかもしれない。
では、死を迎えて成仏した後は、何もないのだろうか。
死後は天国や地獄に行くと、何の根拠もない有名な噂が飛び交っているが、もしもそれが本当だとしたら……?
私の人生は死んだ後も続くことになるかもしれない。
だとしたら、明確な終わりとは何なのだろうか。
どこを自身のエンドとして区切り、捉えるのだろうか。
きっと、それは人それぞれだろう。
まだ私には答えが出せていないけれど、もしもエンドを迎える時期を決められるのならば……
きっと私は自分が最高の幸せを感じている時にする。
それなら、後先で不幸になっても、私の人生はハッピーエンドで終わったんですよ、と自慢できるから。
【My Heart】
ねぇ、心って、どこにあるのかしら?
確かに、今も胸の奥でドクドクと波打つ心があることは知ってる。
確かに、何か言われたり、触れたり、見聞きしたり、感じることでドキドキとうずく心があることを知ってる。
確かに、誰かの愛を受け止めたり、誰かを愛することでドキドキと跳ねる心も知ってる。
でも、見たことがないのよね。その心を。
まぁ、見えなくても「あること」が分かれば、いいのかもしれないけれど。やっぱり気になるのよ。
本当に私の心って、どこにあるのかしらね?
【ないものねだり】
私は、幸せだ。
最高の家族がいて、最高の友人がいて、
最高の仲間がいて、最高の恋人がいて、
最高の趣味があって、最高の夢があって、
最高の愛があって、最高の喜びがあって、
最高の楽しさがあって、最高の嬉しさがあって、
最高の人生を過ごせている。
私は、幸せなんだ。
そう……きっと、私は最高の幸せに満ち溢れている。
なのに、私は、どこか満たされていない。
何もかも「全て」あるのに。
あ、そうか。私には、ないものが無いんだ。
だからこそ、ないものが欲しくなる。
ねぇ、そこのあなた。……ねぇ、どうか!
私に、私に、ないものをください。
【胸が高鳴る】
朝、起きて、ふとんにくっついた毛糸を手で払った。
昼、正午の呼び鈴で、グゥ~~とお腹がなった。
夕、閉めた窓の外側に張りつく小さな虫を見つけた。
そして、夜。特に何も起こらないまま、眠りにつく。
とびきり心躍るような毎日じゃない。
でも、ほら、あなたも聞こえるでしょう?
トクッ……トクッ……トクッ……と。
己の身体に手を添えると、確かに響いてくる。
まるで胸が高鳴るような鼓動。
それは、何気ない日々を彩る一つのBGM。
【不条理】
私の人生は、どうしようもないことが多すぎる。
勉強も運動も人並みにできない。
頑張って努力すれば報われるというのは、ただの一般的な結果論であって、私の場合は報われないばかりだ。
これが、きっと運命なのだろうと何度も思う。
でも、どうやら私は諦めが悪いらしい。
下手を上手に変えられない自分自身も、
下手が上手にならないと変われない世の中も、
私は、どちらにも言い表せない不満を持っている。
今後、もしも私の不満が解消されるようなことがあったら、それは不条理を乗り越えた時なんだろう。