【明日、もし晴れたら】
「この星は初めて」
そう言った君を連れ出して
海へ行こう
ここでたまたま出会った君とは
きっと違う星で生まれた
「この星はすべてが重い」
そう言った君の憂い顔も
晴れるといいのだけれど
去年の今日
【澄んだ瞳】の君に会ったんだ
初めまして
君からはどう見えてるんだろうって
すごくドキドキした
それがもう一年たつんだね
君と出会えたこと
お祝いしよう
【お祭り】
おとーさんの田舎? なんだろ……えー、おとーさんの方のおじーちゃんの実家? に行ったことあって、すっごい田んぼとか山とか森? ばっかで、周りがめっちゃ緑なの。
夏休みに、朝早く起きて車に乗せられて、高速とかものすごーい走って、ものすごーい遠くまで来たんじゃない? って頃着いたら古い大きな家で、カヤブキ屋根って言うの? なんか傾いてるの。気のせいじゃなかったと思う。
初めて会う親戚とか、家の中にいっぱいいて、大人は忙しそうに動いてて、小さい頃だったし、一応お客さん? 扱いだからなんもすることなくて、おとーさんが親戚の人と話してるの隣に座ってぼーっと聞いてた。大人の話って内容がよく分かんないし、しかも訛っていうの? それがすごくて外国語みたいに聞こえるんだよね。意味分かんないなぁってそのうちうとうとーっとして気づいたら、縁側に寝かされてた。
おとーさんに「行くよ」って起こされて外見たら、たくさんの人が道に出て、行列になってるの。その行列に並んでぞろぞろと裏山みたいとこ行った。そこで何したかもよく分かんないんだけど、その後は傾いた家に戻って宴会だった。
「遠いところよく来てくれた」とか「沢山食べて」とか、にこにこでそんなことをみんなに言われた。
セミの声とめっちゃ緑。暑くて明るい夏休みの思い出。
【鳥かご】
大空を飛び回りたいとか
思ったことはないよ
ここしか知らなければ
窮屈なんて思うことはないし
守られてる安心感あるよね
飛び出そうとか
思ったことはないよ
敵もいない
保証された生活
こんな素敵なことってないよね
【終わりにしよう】
「誰か」になりたかったわけじゃない
自分以外なら何でもよかった
気づいたらずっとこうなんだ
「中の人」にいつも責められている
平らな道を
ブレーキをかけながら進むなんて
効率が悪いし
気づいちゃったら
「中の人」に文句も言いたい
もうそろそろ
幸せになってもいいと思うんだ