形に残せない
我が子を抱いた温もりとか
眠いのに授乳していた時間とか
1人になりたいのに
追いかけ回されたあの日とか
そのままの質量で
そのままの香りで
取っておくことができない から
輝く
温かい色味の
美味しそうな月
淋しい日常に
ほっこりとイロドリヲ
月のように
神秘的な 眼差しで
凛とした 芯の強さを持っているからこそ
太陽のような
くったくのない
ムードメーカーになれるんだって
この年になると 思うよね
実際は嵐のような
あられなんて字面は 可愛らしいけど
雷、雹
吹き狂う 感じの日々で
人生なんて
穏やかが一番って
思っているだけで
子どもを迎えにいく途中に
このまま 1人で どこか遠くに車を走らせる
そんな妄想を している自分を
不思議な気持ちで 俯瞰している自分
あーめんどくさい
と声に出してみて
駅から湧き出てくる人たちの中に
家では見せない顔をして
音楽なんか聴いている我が子を見つけると
誇らしいような
黙って乗り込む息子に
ただいま ありがとうくらい言いなさいよと
そっけなくしてしまうけれど
これぞ家族なのかな
昨夜は 大げんかしたんだけどなぁ
ママ ママ
泣きながらかけてきて チュッ
行き慣れた公園で毎週のように遊んだね
庭ではおばあちゃんの目もあり
ゆっくり出来ない私は
おぼつかない運転で 公園で空を見つめた
1人のような でも そうではない
不思議な心持ちで
ちゃんと生きてる でも心もとない
孤独と郡衆
今朝 思春期になった長男が
おばあちゃんにだけは気を遣って 部活に行った
私は 一人で
行き慣れたこの公園に
流行りのアウトドアカートにたくさんの用具を載せて
簡易テントを張って 少しでも快適にって
子どもがぐずってる
お菓子の取り合いしてる
そんな景色を
眺める
喉から手が出るほどほしいとはよくいうよね
キスできていたのに急にできない
みたいな気持ちで
空を一人 見つめる