『影絵』

　近づくのために
　全てを感じようと
　してたんだ、

　あいつの叫ぶ声に
　心も捨てて
　ひれ伏したんだ、

　誰よりも弱くて
　呆れるほど孤独な奴。

　知っていたよ
　みんなが
　分かっていたはず、

　俺らは
　強がってたけど
　心は萎れ尽くしてた、

　ただ英雄に
　従いたかったのかも
　知れない、

　影絵そのものにしたのかも
　知れない、ごめんなさい！

　でもさぁ…
　そうじゃないと…
　何もかもが堪えられなかった。

『物語の始まり』

　ちぃさな奇跡
　
　ならべてみれば

　見る程見事なお花畑

　ちぃさな奇跡

　息吹いてみれば

　煌めき煌めくお星様

　君にも奇跡が

　届くよう今宵も

　静かに唄いましよう

　宙一杯に哀しみ

　広げて唄いましよう

『静かな情熱』

　もういちど
　もうすこし

　できなくても
　つらくても

　そう
　　前へ

　あなたの
　　思うところへ

　あなたが
　　見つめる方へ

『遠くの声』

ほら雲のぐるりが
テカってら

いい加減な奴だと
飽きれてみても

お前さんよりも
マシだと聞こえてる


飛行船がブ～んと
ウナってら

いい気なもんだと
舌打ちしても

お前さんはなら
どうだと聞こえるよ

『春恋』

こうして
春を待つんだ　

よれよれに
なりながらも
春の内側で
めざめるのさ　　
　
真っ青な
肌さらして
キミたちの中で
微睡むのさ