4日目 お題:つまらないことでも
「ねぇ、おはよう。今日もいい天気だね。」
「…。」
返事がかえることはない彼女に話しかける。辺りには彼女が生きている証である心電図の音が鳴り響くばかりである。
「君が寝てからもう2週間だって。感覚的には1ヶ月ぐらいだけどね。」
「…。」
「あ、そうだ。君の好きなクッキー、買ってきたんだ。起きたら一緒に食べよう。」
「…。」
彼女のテーブルの上には一緒に食べたい物や彼女の好物でいっぱいになっている。少し買いすぎたかな、、、と思ったけど彼女の好物を置けば早く目を覚ましてくれるかな。なんて考えながら箱を置く。どんなにつまらないことでも一緒にいれば笑顔が絶えない君はいまでは笑うところか起きやしない。あぁ、早く起きないかな。
3日目 お題:目が覚めるまでに
いつも通り彼と眠りについてしばらく経った頃、ベッドの違和感と物音で目が覚めた。、、、隣に彼がいない。外はまだ暗いから仕事へ行った訳でも無さそうだ。恐る恐る物音がするリビングに向かう。扉を開ければそこには装飾が施されていた。
「何、これ?」
「あ、、、起きちゃった?」
そう話す彼は奥から申し訳なさそうに出てきた。
「どうしたの?急に隣に居ないからびっくりしたじゃん、、、」
「、、、本当はサプライズだったんだ。ほら、君明日誕生日でしょ?だから君が目を覚ます前に部屋を綺麗に装飾して祝うつもりだったのに、、、」
彼は残念そうにしている。まるで捨てられた子犬のように。少し申し訳ないことをしたと思った。
「私の為にありがとうね。凄く嬉しい!」
「、、、どういたしまして。来年はしっかり寝てろよな?」
「うん。わかった。」
2日目 お題:病室
俺は昔から病弱で入院と退院を繰り返していた。今回も数日前から高熱が続き入院する事となった。なんでこんなに体が弱いのだろう。俺も友達と出掛けたりしたいのに…。今日も病院の隣にある小さな公園で遊んでいる子供達の笑い声が聞こえる。羨ましいな、と考えていると病室のドアが開いた。
「あ、起きてる。熱下がったの?体調はどう?」
彼女は幼馴染の由香だ。今回もお見舞いに来てくれたみたいだ。
「大丈夫。ついさっき熱が下がった所。」
「ほんと?よかったぁ…あ、リンゴ持ってきたの。食べる?」
「うん。ありがとね。」
彼女はカバンの中から予め切られたリンゴを取り出して俺に渡してきた。よく見れば彼女の手には少し傷がついていた。きっと不器用ながら頑張ってむいて来たのだろう。少し形が不恰好だがとても美味しかった。
「美味しい。」
「ほんと?頑張ってむいたんだ。早く退院出来ますようにって祈りながらね。」
「ありがとう。早く退院できるように頑張るね。」
それからしばらく最近起きた事などを沢山話した。病院は嫌いだけどそういう日も悪くはないなと思いながら。
1日目 お題:明日、もし晴れたら
明日、もし晴れたら、、、
きっと君は私の顔を舐めまわして私を起こすだろう。大きくしっぽを振り回しながらおはよう、と。
仕方がなく起きて抱き上げると嬉しそうにこちらを見つめる。恐らく君は散歩に行きたいのだろう。着替えようとすると分かるのか直ぐにハーネスを咥えて持ってきた。まったく、自分勝手なんだから、、、でもあまりにもつぶらな瞳で見つめられるから許すしかない。今日もまた可愛い君に振り回される。