ひとひら花弁が落ちる。不規則に舞うので、夢中で取った。結局、取れても家に持って帰らずに、その場に捨ててしまった。春の終わりが、みえていた。

楽しかったはずの家族旅行。温泉に行って、帰りにブレスレットを買ってもらった。けれど、覚えている風景は、お土産屋を出た直後の土の色だけだ。

夢へ！飛びたい人生でした、と未来の私が言っていそう。いつもやりたい仕事はリスクが高いもので。いつまでたっても一歩が踏み出せない。そうして踏み出せないまま終わってしまうのだろうか。

元気かな。気にしなくても元気なんだろうけど、どうか元気でありますように。

また遊ぼうと言ったときから、かなり時が過ぎた。私たちの約束は、遠くもはや意味を成さないものになってしまうのかもしれない。