1/20/2024, 11:04:03 AM
題 海の底
ここからは色んな景色が見える。
俺と一緒に沈んで行く人達、
崩壊する船、
誰が死んだとしても全てを受け入れて包容する大空。
……俺が死んだらお父さんはどうなるのだろう,あの人寂しがりなのに意地を張って我慢して子供みたいなあの父は,
………沢山の愛情を貰いながら先に逝くなんて俺は本当に親不孝者だ。
こんなところで,別れも言えずに終わるなんて
すまない父さん絶対生きて帰ると約束したのに,俺 守れなかったよ
泣かないでくれ,悲しまないでくれ,なんて言えないだけどどうか,どうか幸せに…
不幸に,絶望に沈まないでくれ
愛しい父へどうかこの声が聞こえるように
もう貴方の側で歌えすらできないけれど
ーさようなら
With love from your son.
貴方の息子より,愛を込めて。
1/19/2024, 10:12:11 AM
題 君に会いたくて。
貴方の日記と花束を手に今日も丘に来る。
「…そう言えば貴方はここから見る海が好きだったね」
花束を貴方に渡し、木陰に座るするとふと思い出してしまう…
「…ねぇ貴方なんでいっつも僕から離れて先に行ってしまうの,やめてよ」
(……又君に会いたい,そう思ってずっと10年も待ってたんだよ?…………なんで先に逝っちゃうのさ)
………嗚呼雨が降って来た,塩気の強い雨が
〜終〜
1/19/2024, 8:30:08 AM
題 閉ざされた日記
……いつからだろう群衆に群れずに一人で進み始めたのは
(しかし最期にこんな事を想うなんてな…)
ふと机の上の日記を手に取る。
もう意識が朦朧としているからか日記をまだ書いていたあの頃を思い出す。
(……も、しも…もしも彼等について行ったらまだ日記を物語を書いていたのだろうか,
そうだったらこんな閉ざされた日記のような人生を送らずに済んだのだろうか)
そんな事を考えながら彼は眠りについた。
〜終〜