半袖。一応ジャージを着てはいるがいつ脱いでもいいように日焼け止めを腕に塗る。化学物質に多少のアレルギー反応を示した喉がヒリヒリと痛み、咳が出る。
日焼け止めの匂い、清涼剤の匂い、汗の匂い、クーラーの匂い、夏の匂い。
日に焼けた肌、日に照らされた廊下、眩しそうに細められる目、夏の日。
弾むような軽快な音、外から聞こえる掛け声、ドアを開ける音、夏の音。
夏は好きだけど終わりの夏は嫌いだ。

お休みなさい。

あるのなら天国に行きたい。でも、まだ生きていたい。
天国行きか、地獄行きかを決めるのは何だろう？
それはきっと自分の人生を全うして好きなことをできたかどうかだ。

お休みなさい。

もう少し好きなことをしていられますように。大切な人が元気に生きていられますように。もしどうしても死んでしまうと言うなら、楽に死ねますように。

お休みなさい。

そんなものはない。虹を見るために進む。

お休みなさい。

嫌がってないで中学校いってみな。ストレスでむくんだ顔、恥ずかしいのは分かるけどちゃんと前向いてな。その目の前にいるショートカットの小柄な子が後々貴方とすごく仲良しになるから。色々衝突もあるけど今無事に過ごせているから頑張って。担任の先生、顧問だよ。（二年生で変わっちゃうけど）
部活も美術部と迷って貴方は吹奏楽部を選ぶ。楽しいよ。自分で言うのも何だけど一年生の割にはすごく上手くなるから努力してね。今は可愛い後輩がひとりいるよ。悪口の件は気にしないで。
ああ、あと入学して半年後に髪型変えるよ。
ちゃんと前見て、周りをみて、慎重にね。
この学校で、この部活で、この顧問で良かったって、初めて吹奏楽やったのがここで良かったって思えるから。
言いたいこともっといっぱいあるけど今私が元気に喋ってるんだから安心して過ごしてね。

お休みなさい。