笑顔の絶えない子
元気で明るい子
真面目にみえる子
お喋り上手な子
考え方が独特な子
勉強頑張る子
なんでも頑張る子

いい子　いい子

私

–これまでずっと–

見ている限りの文字と
最後の記憶の顔。

喜怒哀楽は分からない。
感情は伝わらない。

想像力を働かせるのは
こちら側の仕事。

読み解くのは難しい
だから怖い。

たかが一件でも。

返す私は

なるべく明るく
なるべく感情が伝わるように
たくさん考えて送る。

失礼はないか
誤字脱字はないか

考えながら送る

たかが一件でも。

–一件のLINE–

窓の外は恐ろしく静か。

虫の声も
鳥の囀りも

車の音も
人の声も

気配もない。

異常な景色に
ゾッとする青空。

いつも通りの部屋と
いつもと違う外。

私　早く　目覚めて。

–目が覚めると–

本音を言わない。
元気でいること。
悪いと思ったら謝ること。

綺麗な嘘をつくこと。

傷つかない嘘をつくこと。

笑顔でいること。

無理すること。

人に合わせること。

謙虚でいること。

優しい嘘をつくこと。

嘘を

つくことが
–私の当たり前–

日が落ちた。
ここからは星達の出番。

地球にないものを
宇宙から降らせる
夜限定の演出。

月の明かりは
太陽の代わりに
私の影を作る。

そんなのはずいぶん前の話

空をひっくり返した様に
街は星々みたいに光ってる

夜景だね。
綺麗なの…？

つまらない。

–街の明かり–