Amber

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4/15/2024, 12:55:25 PM

電車の発車まであと数秒って時。
あるいは、青信号が点滅している時。
そんな、走れば間に合うかもしれない、みたいなシチュエーション、あなたならどうする?
私は絶対に諦める。
焦る人を横目にゆったりと歩く。
疲れるほうがイヤだから。
間に合わなかった時が恥ずかしいから。
だから、今回も諦める。
この想いはもう、届かないから。
あの人に届けるには、遅すぎたから。
――本当にそれでいいの?
あの人なら言うだろう。
――息を切らして全力疾走、悪くないもんだよ。
そうだろうか。
今からでも間に合うだろうか。
――そんなの、わからないよ。やってみなきゃ。
――でもさ、失敗したって誰も笑わないよ。
そうだ。あの人は誰のことも馬鹿にしない。
ならば、たまには走ってみよう。
勇気を出してメッセージを送る。
「今度、ふたりでお茶でもいかがですか」

4/13/2024, 4:25:33 PM

「まぶちぃっ」
玄関を出ると、娘が言った。
この世に生まれて1年とちょっと。
最近言語を習得してきた娘が言うことは、正しいときが半分、うーん違うよねってときが半分。
今日の娘は正解のほう。
「眩しいね」
見上げれば、雲ひとつない青空。
「お、いい天気じゃん!」
後ろから夫の声。
家族3人手をつなぐ。
快晴の空の下、さて、どこへ行こうかな。

4/9/2024, 8:52:30 AM

卒業式で使った看板を、入学式に貼り替える。
ハロウィン商戦の飾りをクリスマスバージョンにするお店の人たちも、同じような気分なのかな。
先月卒業生を見送ったと思えば、もう新入生がやってくる。
この場所が好きだ。
子どもたちが泣いたり笑ったりふざけたりして大きくなる。
そんな場所に私はずっといる。
これからも、ずっと。

4/7/2024, 1:04:58 PM

仕事終わり、沈む夕日を見ながら「日がのびたなあ」と思う。
なんだか毎年同じことを思っている気がする。
つまらない大人。
そういえば「日がのびる」ってどんな漢字を書くのかな。
バス停でスマホを開く。
ふむふむ、正しくは「日脚が伸びる」というらしい。太陽が空を移動する足が伸びたと感じるからだとか。
大きな足でのびのびと散歩をする太陽を想像する。
なんだか気持ちよさそう。
せっかくだから、私も歩いてみよう。
次のバス停まで?いやいや、もっと先まで?
一歩、一歩、家に向かって。
沈む夕日を背に足を伸ばした。

4/6/2024, 12:33:46 PM

君の目を見つめると、君はいつでも微笑んでくれた。

思い出すのは教室の日々。
心も容姿も美しい完璧な君。
一方で、何もかもが冴えない私。
どんな時もキラキラと輝く君は私の憧れ。
ひっそり盗み見ることしかできなかったけど。
うっかり目と目が合うと、君は笑ってくれたよね。
にっこり優しく、友だちであるかのように。

ある日SNSで流れてきたのは、夢を叶えた君の姿。
今ならわかるよ。
君の輝きは毎日の努力の結晶だったこと。

画面に映る君の目を見つめる。
あの頃から変わらない君の笑顔は、今でも私には眩しいよ。

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