最近
めっきり見なくなった
空飛ぶ夢
いつも何とかして
高く高く
舞い上がろうとするけど
気を抜くと下降してしまう
君と手を取り合い
無限の空間を飛び回りたい
果てを目指して
高く 高く
何処までも高く
せめて夢の中でと
日がな一日想うのに
何故
君は 一度も出てこない
「高く高く」
大人になっても
子供のように
泣き喚きたい日はザラで
事件か?って
110番は勘弁だから
心の中で慟哭
誰もいなくても
声を出して泣く事は
いつしか出来なくなっていたけど
また
転んじゃったね
しゃがみこんで
顔を覆って泣いている
自分の中の小さな子供に
今日
キラキラ光るジルコンの
おもちゃの指輪を買った
「子供のように」
放課後の
人気の無い教室は無機質で
何処となく寂しく
毎日居る場所なのに
一人でいるのは怖かった
夕日の迫るグラウンドでは
部活動の掛け声が賑やかで
好きだった先生や憧れの先輩
その存在を探す事だけが
日々の楽しみだった
次からは真面目に・・
と新調したノートは
いつも落書きだらけで
教科書の伝説の人物は皆
最終形態まで進化し
ページの右下はいつも
パラパラ漫画になった
ロンスカは注意する先生達も
夏仕様の膝上丈はスルー
まだ若い先生ばかりで
色々ゆるかったあの頃は・・・
って・・・
何十年前の話やねん!
「放課後」
秋の匂いにも馴染んだ頃
初冠雪のニュース
小花が散りばめられた
大好きなオレンジ色の
少し厚手のカーテン
寒くなる前に
くすみブルーから
二つの窓を衣替え
まだ時折夏日のある
あの人の街に
雪は降らない
ひんやりした部屋に
暖色系のカーテンが
目に温かい
こんな風に簡単に
心も着替えられたら・・
「カーテン」
例えば・・・
不意に立ち入った本屋で
もし 君の絵を見つけたら
そこに君の名を見つけたら
心から願って止まなかった
やっと形になった君の夢を
この手に取る事が出来たなら
純粋な君が
照れながらもいつも
沢山 伝えてくれた
聞き慣れてしまっていた
「愛してる」
の言葉よりも きっと
嬉しくて 嬉しくて
心の底から嬉しくて 私は
その場に崩れ落ちて
溢れ出る涙を
止められなくなるだろう
悔いてはいない
さよならをした
あの 夏の日
君を解き放つために
心に鬼を迎え入れた事を
「涙の理由」