9/25/2022, 1:43:16 PM
遠くに住む君と
唯一会える
この手の中の
小さな窓
あの夏の日
閉じられたまま
錆び付いた鍵が
頑なさを帯びて
強く私を押し退ける
もう二度と
開く事は無いと
「窓から見える景色」
9/24/2022, 1:58:28 PM
証拠も保険も
保証も無い
形の無い
不確かな契約を結び
説明のつかない感情に
「愛」という名をつけて
いつか覚めるであろう
夢を見ている
微妙な信頼関係で
結ばれているだけの
危うい関係
法律でさえ
縛る事は出来ない
自由にうつろう
人の心
「形の無いもの」
9/23/2022, 7:11:04 PM
ジャングルジム
どうやって遊ぶのか
分からなかった遊具
友達より少し小さい体で
恐る恐るよじ登ったのは
途中まで
手が痛くて
いじめっ子が嫌いで
好きな子がいて
何十年も昔の
おかっぱ頭で緊張した女の子が
ボヤけた写真の中で生きてる
「ジャングルジム」
9/22/2022, 1:20:10 PM
私を呼ぶ声
君だけが使う渾名
本当に大好きで・・・
今も微かに耳に残るよ
でも
分かってる
知ってる
時の流れに乗って
少しずつ遠ざかり
いつか
聞こえなくなる
「声が聞こえる」
9/21/2022, 5:10:09 PM
線香花火のように
パッと花開き
刹那の夢を見せて
儚く散り落ちた
夏恋
もし
秋風の吹く頃に
出会っていたのなら
雪の降る頃には
冷えた体を温め合い
桜咲く頃には
ポケットの中で手を繋ぎ歩き
花火の頃には
来年もまた二人で観ようと
光乱舞する空を見上げ
いつまでも一緒だと
ずっと離れる事は無いと
終わる事の無い愛を
誓っていただろうか
「秋恋」