謝られるのはあまり好きじゃない
謝るのが自然なときももちろんあるけど

たいして気にも留めていないのに
勝手に過大に推し量られて
遠ざけられてしまったさみしさと

かすかに感じる自己卑下の気配に
少し前までの自分を見てしまう

口癖のような「ごめんね」は
自分を小さく閉ざしてしまうから
「ありがとう」と開く練習

花が咲けば季節を思う
窓を開ければ服が決まる

外を歩いて答え合わせをしても
建物に入ると感覚は消えていく

半袖だけで出かけることは
もうなくなってしまった

帰って真っ先に
冷凍庫に頭を突っ込んだ夏の感覚は
どれほど尖っていたんだろう

マルかバツか
はっきりさせたかった

どちらとも言えないなんて
かっこわるいから

ちゃんと見るようになって
言葉を探すようになると

簡単になんて言い表せなくて
言いたいこととの差に苦しむ

天国と地獄
両方とも自分の中にあるんだろう

明日はさておき
今日は天国寄りで行ってきます

どこにいても
同じ空の下にいると言うから

月に伸ばした手のひらに
柔らかな光とともに
この想いが降り注ぐようにと

あたたかなもので
あなたが満たされるようにと

月に願いを託したら
同じものが返ってくる

そんな気がする

雨の日の不思議

なぜ電車が混むのか
雨音はどこからするのか

雨の日も楽しめる人は
今どこで何をしているんだろうか

降り止まない雨の時間軸は
どれくらいなんだろうか

どこで切り取るかで
雨が止まないという不思議