七夕。4作目。
七夕。7月7日。天の川を超えて、年に一度だけ。織姫様と、彦星様が会える日。
この場合の関係は恋愛だけれど、恋愛に限らずのお話をしたい。
現代。
気軽に出会えて、気軽に別れることができる時代。
ずっと同じ人と過ごすことは、不可能に近い。人と人の間に、永遠なんて言葉が果たして存在するのかどうかすら疑わしい。少しずつ重なって、離れていく影同士。もつれたあやとりになったりもして。解けたりもして。
たとえ離れてしまっても
年に一度、会いたい人はいますか?
私のお願いは。
私に少しでも関わってくれた人たち全員が、離れている人もそばにいる人も、幸せに過ごせますように。彼ら彼女らがたとえ私のことを好いてなくても、覚えていなくても、願うよ。
友だちの思い出。
あの頃はよかったね。
“あの頃”だって嫌なことや苦しいことはあるはずで、そんなの幻想だよ。
まあ、そうだね。だけどさ、思い出って支えになるんだよ。だから、そう思える事はきっと、素敵なことなんだよ。人間の、特に若い人、思春期の記憶っていうのはさ、危険を回避するためにポジティブな記憶よりも、ネガティブな記憶の方が残りやすいんだよ。そう考えたらさ、”あの頃はよかった!”って思える記憶は、たとえ嫌なことと隣り合わせだったとしてもね、宝物にしていいと思うの。
これからも、支えにして生きていこうよ。
星空。
ふと、空を見上げた。黒がもやもやとしている。
本当の星空を見たことがない。
他人に言えば そんなはずはない、私は毎日見ている とよくと言われる。
そうだろうか?都市の光に照らされ、星など見えない。
プラネタリウムで観る星だって、レプリカ同様だよ。
星空なんて、本当に存在しているのだろうか?
そんなことを思いながら、今日も帰路につく。
神様だけが知っている。
私たちを取り巻くすべての“縁”、“人生”。
出会うこと、別れること、生活の選択肢。
視えない力に引っ張られながら、同時に私自身の力と共に、進んでいく。一歩でも、半歩でも、進めなくても。神様は、私たちが生きてることを頑張っていると知っている。大丈夫。きっと、繋がってることを神様は知っている。