「自分はこう思ってたのに、全く違う話で__
って事だったんですよ〜」
スタッフ達の笑い声がスタジオ内に響く。
良かった、ウケたみたいだ。
初めての番組で酷く緊張している。
ピン芸人というものは、一人でベラベラ喋って観客を笑わせなければならない。
スベッてもどうにかして助け合えるコンビやトリオより、よっぽど大変なのだ。
例え元の話がクソつまらない物だったとしても、脚色に脚色を重ね、笑える話に変えなければいけない。
他の演者の顔色を伺いながら話を盛り上げていく。
「あ、あはは……そうなんですね」
人気女子アナウンサーが愛想笑いをする。
不味い。何かやらかしてしまったのか、よく見ると他の演者にも愛想笑いしている人がいる。
こんな時、いつも思うのだ。
『自分以外の時間が止まってしまえばいいのに』と。
【時間よ止まれ】
以下
青羅紗の独り言
私の話をいつも読んでくださっている方々、ありがとうございます。
何となく始めてみた、書く習慣。
毎日少しずつ、創作短編小説のようなものが書けているので満足しています。
つまらない自己満足短編小説ですが、読んでくださる画面の前の貴方が存在することで書き上げる事が出来ています。本当にありがとうございます。
これからも青羅紗をよろしくお願い致します。
君と仲違いしてしまったあの夜
私はいつもの公園で寝転がって夜空を見つめた。
あんな事、言わなければ良かった。
そんな事をいくら考えても、もう遅い。
私は二度と謝ることが出来ないのだ。
君と二人で見た夜景を思い出して、芝生を濡らした。
「来世で、また会えたら」
君は、照りつける太陽の眩さに負けないほど輝いていた。
「早く早く」
花畑を走り回ったあの頃
私達は恋だの愛だのに興味がなかった。
私達は大人になってしまった。
色々知りすぎてしまったのだ。
あの眩かった君は、もうどこにも居ない。
「空が泣いてる」と君が呟いた。
初めてのデートは、生憎の天気だった。
サァ、と降り出した雨はだんだん強くなり、君の服をシットリ濡らした。
「ほら、虹」
案外雨はすぐに止んだ。
艶々と輝きを増す木々、空に浮かぶ薄い雲、濡れたアスファルトに写る君の影。
その全てが君を形作る光のように見えた。
君からのLINEは、いつも「うん」だとか「わかった」だとか、そういう軽い返事で終わる。
私が熱で学校を早退した日も、心配するメッセージと共に残ったいつもと変わらない返事に、思わず苦笑いしてしまった。
その適当な感じが、何だか心地良いのだ。
ただ、一度だけ、変な返事が返って来た事があった。
『縺ォ縺偵m』
文字化けしてしまったのか、全く読めない。
次の日から君の様子がおかしくなって、時折学校を休むようになった。
凄く心配だった。
『最近学校全然来てないけど、何かあった?』
『いつでも話聞くからね。話したくなったら連絡して』
『ありがとう』
『莉翫°繧芽。後¥』