春爛漫。
　咲き誇る桜。
　舞う花びら。
「地面に落ちた花びら汚いね」
　水を差すな。落ちてても綺麗だ。

　誰よりずっと誇れるものがある。
　私が一番しょうもない無駄なものだ。
　自己否定感なら誰にも負けない。何故なら事実だからである。
　今日もまた自分がカスであることを確認して眠りにつく。そして明日もまた私はゴミである。ゴミの日だし、ついでに誰かが捨ててくれたら世のためになるのにね。

　これからもずっと、という約束が出来る幸せ。
　叶っても叶わなくてもよいのだ。
　約束をする相手。永遠を唱えられる無邪気さ。それがかけがえのないことだから。
　明日には心変わりしたって、今日は永遠だったのだ。

　沈む夕日にバカヤローと叫ぶ。
　山に沈むなら言い返してくるかもしれないけれど、海に沈むなら言われっぱなし。
　遠慮なく叫んで、叫んで、一息ついたら。

　水平線に見える船影。
　海は黙っていても、人間は言い返してくるかも。
　急いで山の方へ逃げよう。

　君の目を見つめると……いや、見つめられない。
　目と目を合わせることが照れ臭い。でも見たくないわけではないから、目の近くを。眉間か、あごか。
　居心地悪くて、この時間が終わってほしくなくて。