5/22/2023, 7:09:08 AM
私は最初、透明な水だった。
私に1滴、赤い水が滴り落ちた。
私はまだまだ透明だった。
今度は1滴、青い水が滴り落ちた。
私はまだまだ透明だった。
1滴、また1滴。
透明だった私は少しずつ色付いた。
私は少し誇らしかった。
私はかつて透明な水だった。
1滴、また1滴。
私の中の色たちは次第に仲が悪くなった。
私は少し寂しかった。
私はかつて透明な水だった。
誰かが言った。
浄水すればまた透明になる。
私はその人が好きになった。
その人の優しさが好きだった。
私は再び透明な水になった。
だけど何かが変わっていた。
何が私を変えたのか。
色たちとのお別れか、
あの人の優しさか、
それとももっと他のものか、
私には分からない。
テーマ「透明な水」
5/21/2023, 1:11:14 AM
鏡の自分とにらめっこ。
笑みを浮かべる知らない誰か。
気に入らない。
鏡の端の二枚の写真。
一つは忌むべき自分の姿。
一つは愛すべき自分の姿。
みんなの理想になるために、
私は自分の嫌いになった。
テーマ「理想のあなた」
5/18/2023, 3:00:46 PM
心地よい夜風に吹かれながら、ふと夜空を見やる。
この時間でも空の端は街明かりでほんのりと明るい。
手元の手帳は記憶に溢れ、遂には水が零れ落ちた。
空白を残した日記はこれからしばらく開かれないだろう。
テーマ「恋物語」