あじさい


少しずつ衣装替えをする
お洒落で移り気な装飾花
雨降りの歩道
色とりどりの団欒
僕はあなたに
白いあじさいを贈る

好き嫌い


花弁を一枚ずつちぎりながら
好き…嫌い…好き…嫌い…と花占い
風にふわり飛んで
想いが届きますように

街


お祭りで賑やかだった通りは
もとの静けさを取り戻している
暑さに揺らめく横断歩道
道路の向こうから走ってくる
路面電車を僕は今日も見送る

やりたいこと


それまでできていたことが
あるときから
できなくなってしまった
そのできなくなったいくつかを
いつかまた
できるようになりたい

朝日の温もり


カーテン越し
柔らかな陽射しは穏やかで
シーツの上
猫のように欠伸をする
昨日のことは済んだこと
涙も傷も嘘もぜんぶ
浴室で流したら
だいじょうぶ
鏡の中の私につぶやく
やさしさに包まれた朝に