Open App
4/24/2024, 11:24:19 AM

ルール

 ルールはほどほどに守るのが一番楽しい。目上の人に怒られるか怒られないか。際どいところが一番楽しい。少しルールを破るという悪さをしているとき仲間の顔を見ると破って良かったと思うし、その時の笑顔は一生ものだ。ルールをきちんと守ると、あんま楽しくない。私は、ルールを破りがち。だって青春は一生に1度しかない。だけど…たまには守らなきゃ。
特別が"特別"じゃなくなっちゃうから…

「あなたの特別な一瞬はいつですか?中学生?高校生?大学生?それとも…今?」

4/23/2024, 12:40:42 PM

今日の心模様

 今日の心模様は落雷。それが、今の僕に似合っているだろう。
なぜなら、僕は今日恋に落ちたからだ。
僕はいつも、周りから感情がないと言われる。そんなことない。そんなことないと思ってる。でも、僕はそう言われても仕方ないと思っている。
だって僕は"ロボット"だ。少しは、周りから違うと言われても仕方ない。この先ずっと感情がないまま生きていくと昨日まで思っていた。
昨日、たまたま廊下ですれ違った女の子に目が離せなかった。僕は思わず振り返った。彼女は長い黒髪、凛々しい目元、そしていい香り…そこで終わればよかったものの、彼女はハンカチを落としていった。僕は、届けに行かなければならなかった。
走って追いつくと、彼女が振り返ったので僕は目を合わせずに
「ハンカチ、落としたよ」そう一言だけ言うと彼女は
「ありがとう。」そう言って目を合わせに来た。僕の胸が高鳴った。胸が苦しい。そして暑い。そんなことを考えていると、彼女は次の授業があるからといい去っていった…
君が僕に"初めて"感情をくれた。しかも、恋という特別なものを。

4/22/2024, 1:13:41 PM

たとえ間違いだったとしても

 たとえ間違いだったとしても、私はあなたを…
私は、殺し屋だ。だから、任された仕事はちゃんとやるし、仕事に情を持ち込まないようにしている。
だがある日頼まれた仕事の内容を見たとき息を呑んだ。
その紙には、私の父の写真。そして…概要には、闇金から三億の借金。返金見込みなし。ただそれだけしか書かれていなかったが、たとえ間違いだったとしても、私は殺さなければならなかった。。"たった一人の父"を。
仕事当日
私は書かれている住所、時刻を正確に守り現場にいた。父が来るまで時間があったので、昔のことを思い出していた。
私が幼いときに父と母は離婚し、父はギャンブルに依存してしまった。だが、優しい父はずっと変わらなかった。私が、就活に困っていると今の職場の社長が拾ってくれて父には大手会社に勤務することになったと嘘をつき報告したとき、私以上に喜んでくれた。その時の笑顔は今でも忘れない。なのに、どうして?どうして。こんなことになってしまったのか…
そんなことを考えていたら、ターゲットが来た。
私は、バレないように銃を構える。カチャ…バンッ
心臓より少しずらして撃ってしまった。それは多分、父の事が好きだから。一発で仕留めれなかったのだ。父が前の方に倒れる。父の持っていた荷物と白い箱が落ちる。なんだろう、と思い近寄り箱の中を見ると…ぐちゃぐちゃになったバースデーケーキが入っていた。そこには"お誕生日おめでとう…"という言葉と共に私の名前も書いてあった。目が、ぼやけてきた。すると父が死にかけの声で
「…お誕…生日…お…めでとう〇〇」と。死にかけで現実と夢が混在している中、ずっと私の事を思っていてくれたのだ。目から温かいものが伝う。私は、はにかみながら
「お父さん…誕生日、明日だよ?」と呟いた。


4/21/2024, 12:39:03 PM


 
 ポチャン…
最近は、雨が多く憂鬱だ。水玉模様の傘をさしながらたくさんの水たまりを避けるように俯いて歩く。
「はぁ、」
一言ため息を付き、また俯いて歩く。それの繰り返し。今週は何もかもが駄目だった。仕事でも上司に怒られるし、なんなら後輩からも馬鹿にされ、トラックに水をかけられ服はびしょびしょ。何もいいことがなかったこの一週間に思わず笑いがこみ上げてくる。
「ハハッ…」
乾いた笑い声が雨の音にかき消され、まるで私はこの世界にいないようなそんな風に思えた。
ふと、傘の外の景色を見ようと前を向くと私が全然知らない場所についていた。焦る私はどうすることも出来なくてただ、真っ直ぐ歩く。どうせ、私は何にもできない馬鹿なんだから…と薄く笑いながら前を進む。
さっきから坂道ばかりだ。
「これは、はぁはぁ、山だな…」
スーツで来るのには結構キツイ場所だったが、私はめげずに登り続けた。
山頂につくときにはもう息が苦しくて仕方がなかったが、それと同時に達成感で嬉しかった。
でも、この山には先客が居た。
その人は、黄色い傘でまるフチのメガネ、それに加えてきれいな横顔。その人の事を遠目から見惚れていると、気付かれてしまい目があった。でもなぜか、目が離せなかった。その人が私にニコッと微笑み、自分の横に来いと優しく手招きをするので小走りで向かう。少しだけ、相手と距離を空けて止まった。私は、
「なんで雨なのに、こんな山に居るんですか?」そう聞いた。すると彼は微笑みながら
「この山の山頂で見る景色ってとてもきれいなんですよ。自分の心を晴やかにしてくれるんです。」と。
でも…
「雨ですよ?」と言えば、彼は
「まぁ、見てて。」そう優しく言いながら、目の前の景色に指を指す。
すると、今までの雨が嘘かのように止みどんよりとした雲の隙間からきれいな光が溢れてくる。その光は、小さく見える民家、学校、駅、すべてのものに優しく光り輝いていた。この景色を見て私は
「わぁ…。綺麗。」思わず声に出てしまった。私の反応を見た彼は傘を閉じながら
「ね?そうでしょ?」とニコニコしながら言うので私は
大きく頷いた。
この景色をもっと大きく見たいと思い、傘を閉じた。今までの憂鬱が何でもなかった様に思わせてくれた。
彼は
「僕もつい最近この景色を見つけたんだ。」と微笑みながら照れ臭そうに言う姿に私は胸がドキッと高鳴った。

私の傘から、雫がポチャンと音をたてながら落ちる。
私は、目の前で虹を見つけてはしゃぐ彼を見て恋に落ちたのだと知った。

4/20/2024, 1:26:10 PM

何もいらない
 
 私は4年前、親とはぐれて迷子になった。トボトボと道路を歩いていたら、彼が拾ってくれた。よわっている私にミルクや少し柔らかくしたご飯。彼といる毎日は温かくてふわふわとなるような気分にしてくれる。そんな存在だった。彼は仕事をしているので朝家を開けるとき、
「行ってくるなぁ〜。」と優しく私を撫でてから家を出る。その後は、家でゴロゴロしたりおもちゃで遊んだりする。彼が帰ってくる時間帯になれば私は、玄関にトコトコ走り座って待つ。"ガチャッ"その音が鳴れば私は尻尾を振って彼を迎える。"おかえり"その気持ちを込めて
「ワンッ!」と元気よく吠える。彼は
「ただいまぁ〜」と疲れた声で言い私を見ると
「かわいいなぁ〜。本当に。今日の疲れが吹っ飛ぶよ。」
そう言いながら優しく撫でてくれる。幸せな日々が毎日続く…そんなふうに思っていた。
…何週間か私は体がだるく起きられない日がか続いた。彼も、すごく心配していた。だから病院に行った。病院に行く前も着いても彼はソワソワしていた。でも、帰るときは行く前と違い顔が真っ青だった。車に乗って、彼に"大丈夫?"その気持ちを込めて
「クゥ〜ン」そう言うと彼は我にかえり、私の頭をワシャワシャ撫でながら
「大丈夫。大丈夫だよ。俺がなんとかするから。」と。
彼は、嘘が下手くそだ。涙が目を伝ってるよ。でも、彼は私を少しでも安心出来るように声をかけてくれたのだ。だから、私は少しでも元気に見えるように
「ワンッ」そう言った。
数日後、私は体調が悪化し彼が病院に連れて行った。彼は、ずっと撫でてくれる。安心して目を瞑りたくなる。でも、目を瞑ろうとするたび彼は
「ダメ。駄目だよ。まだ…まだ…。」と泣きじゃくりながら、言ってくる。その言葉で何度眠気を払っただろうか。私は、酸素マスクをしている…だから分かる。もう自分は…と。最後の最後まで彼は私と一緒に痛いと言ってくれている。だから、私は最後の元気を振り絞り
「ワンッ…!」と吠えた…
その後は、目を閉じた。
彼の泣きじゃくる音、声が聞こえ
「嫌だ!嫌だ!先生何とかしてください!先生!」と彼は声を上げていた。

…私は、あなたと一緒に入れてよかった。こんな私を拾ってくれて…愛してくれて。もし神様が居るのなら、彼には私が居なくても元気に笑顔に毎日を過ごせるようにしてください。それ以外何もいらない。だから願いを叶えてくれますか?

Next