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９月の半ばを顕す紙面。

あぁもう夏も終わりか、

そう思うと喧しい蝉の声が妙に愛おしく思えた。




世界にひとつだけしかない
ものが目の前にあったら、

手に入れるより、
観ていたほうがきっと、


感じることは多いと思う。

砂の上に広がるのは、塵だらけだ。
でもその中に見つけた、
欠けた硝子や、小さな貝殻。
ゴミを運ぶ蟻。

ちっこくてもぜんぶ、思い出だ。


香水、変えてみたんだよね、気付いた？　

君が言う。
――気付かなかった。

其れだけで関係が壊れてしまうなんて
薄っぺらい恋愛だよな。
この性格で本当の恋愛が出来るってのも
よく考えたらあり得ないけど。