私は何度も衣替えをした。
行き詰まるたびに、
私は私をを脱ぎ捨てた。
脱ぎ捨てるたびに、
私は強くなった。
あと何度、
私は衣替えをしなくてはならないんだろう。
暖かくなると、日差しの中にいるあなたを思い出す
寒くなると、白い息を吐くあなたを思い出す
青い海を見ると、あなたの青い目を思い出す
大きな木を見ると、背の高いあなたを思い出す
こんなに時が経ったのに、
たくさんの事柄が、
タコ足配線されたコンセントみたいに
あなたに帰着するの
こんなに辛いなら、
もうプラグを全部抜いてしまおうか
みんな大人のふりしてる
でも本当は12歳を隠してる
隠し続けて、鈍くなって
彼らの12歳はもう心の底で
気づかれないほど深いところに
きっと深いところに隠すしかなかっただけ
大人の世界を乗り切るためには
でももう彼らには
12歳の目を通して見える
優しい世界を
見ることはできない
私の心のカーテン
私が閉めてるのに私には開けられない
ずっと探し求めてる
私の心に手を差し込んで
カーテンを開けてくれる人
そして
カーテンの外の世界を
私を連れ出してくれる人
久しぶりに故郷に帰り
懐かしい街をぶらついていると
通学路を一人歩く
制服を着た私の姿があった
何を思い悩みながら
俯いて歩いているのだろう
今すぐそばに行って
私が抱きしめてあげたい
誰よりも愛しい
17の私