ブラホワが終わった時
楽屋ではメンバーとライブの話で盛り上がっていた
ファンのことが好きになってから初めてのライブ
とても楽しかった、世界が輝いていた
そんな話をひたすらにしていたそうしているうちに
メンバーはトイレに行ったり
飲み物を買いに行ったり
他のチームの人に呼ばれたりしたため
楽屋には自分一人になってしまった
ふと楽屋に置いてある鏡の方を見た
鏡に映るものを見た瞬間目を見開いた
鏡に映っていたのは自分、自分と言っても
数年前の自分
何故あの時の、
信じていた人に裏切られた時の自分が
鏡に映っているのかはもちろん分からない
感じた感情は恐怖のみ
恐怖のあまり動くことが出来なくなっていた
すると鏡に映る自分は口を開いた
「何楽しそうに歌ってんだよ」
その言葉を聞いた瞬間酷い頭痛が走った
鮮明に思い出してくる過去の辛い記憶
失敗作と言われ、もう見たくないと言われ
泣いたあの日
少し前までの自分なら
当時の負の感情に飲み込まれていたことだろう
でも、今の自分は持つ違う
ファンや隣にいてくれ、自分のことを
思ってくれるメンバー、
こんなに素晴らしい人々に囲まれた自分が
過去の絶望に囚われてなんになるのだろうか?
なにか得をするのだろうか?
得をすることも、楽しいことも何も無い
絶望に囚われて何かをやればその先にあるものは
【無】だ何も残らないただの無
それを理解した自分が鏡に映る過去の自分に
何を言うべきか、その答えはこうだ
「オレは…今を生きてる、過去じゃない
だからあの時のお前(オレ)がなんて言おうが
今のオレはステージで楽しそうに歌ってるのが
1番の幸せなんだよ!絶対、
いつかお前も分かるから…分からせてくれる人に
出会えるから…もう少しだけ…頑張って…」
そう鏡に向かい言えば鏡に映る自分は
何か言いたげな表情をしたが何も言わず
静かに消えていった
これは二次創作です
お題『真夜中』
「亥清さん」
「どうしたの、巳波」
「星が珍しく綺麗だったので呼んでみました」
「星が?」
こんな都心のマンションで星が綺麗に
見えるのか?と、疑問を持ちつつ
ベランダに出て巳波の隣に立ち
上を見上げる
「わぁ…綺麗…」
星が見えたのだ
綺麗に輝くいくつもの星が
「ね?綺麗でしょう?」
「うん…すごく綺麗…」
こんなに綺麗な星を見たのは
ŹOOĻのみんなでノースメイアに
行った時以来かもしれない
綺麗な星が出ていても気づいてなかった
だけかもしれないが…
「都心では珍しいですよね、こんなに
星が綺麗に見れるなんて」
「だよね、いつもビルの明かりで
こんな綺麗な星は見れないのに…」
「ふふ…こんな真夜中にまで
起きてて良かったですね」
「うん…!」
綺麗な星、そして嬉しそうな巳波の顔
今日のことは忘れることは無いだろう
忘れてたまるもんか
この目に焼き付けてやる
そう思いながら俺は巳波の横顔に綺麗な星を
笑顔で見つめていた