いつまで経っても飛べない自分
でもモンシロチョウが羽ばたく姿を見て僕は変われたんだ
#モンシロチョウ
明日世界が終わるなら、人を殺してやりたい
というか、あいつを殺したい
僕は卑怯だ
刑務所に入る勇気がないから
もし殺しても世界がなくなれば何もなかったことになるから
僕はなにげにテレビをつけた
「は?」
そこには
隕石が1時間後に落ちてくるというのだ
なんで気づかなかった?
...そういえば俺ずっと引きこもってたんだ
まあいい
早くあいつを殺したくて堪らない
何年ぶりの外だろうか
そして玄関から一歩足を踏み出す
その瞬間
あいつがやってきて僕の心臓にナイフを突き立てた
ああ、やっと理解した
あいつも僕と同じだ
僕を殺したかった
薄れゆく意識の中で僕がみたのはあいつの亡骸と、空から降ってくる隕石だけだった
#明日世界が終わるなら
20年前のあの日この場所、この夜に流れ星に願ったことを覚えているかい?
僕の隣に座っていて優しい笑顔で声をかけてくれたよね
そしたら、丁度流れ星が流れたんだ
すると君が付けていたリボンを僕に手渡してこう言ったんだ
「今から20年後にまたこの場所へ来て、そのリボンと一緒に。それで返して欲しいの。意味がわからないかもしれないけどそれは20年後のお楽しみ」
そして今日が君に話してもらう日
だったのに...
僕は流れ星にこう願った
どうかあの子を返してください。と
最期に僕は涙をこらえて誰もいない隣に君のリボンを置いた
#流れ星に願いを
神様へ
今頃あの人は空へいってしまったころでしょうか?
彼は苦しんでおられないでしょうか?
楽しんでいるでしょうか?
神様、私の死と引き換えにあの子を返してはくれませんでしょうか?
図々しい願いだとはわかっています
ですが私が死んだ後はどんなことも受け入れます
だから、どうかお願いします
佐藤美智子より
私は死んでしまったあの子の姉
上の文章は最愛の息子が死んでしまい狂った母親が神様へ向けて書いたもの
死んだ人間が生き返るわけないのに
神様が返してくれるわけないのに
母親の心を安定させていた彼が死んでしまった私たちはこれからどうすればいいのだろうか?
#神様へ
つい昨日旅立ってしまったあなたにこの文章を送ります
昨日は大雨
あなたが去って行く後ろ姿が何か違った
気づいた時点で二人で帰るべきだった
何か起こる予感
とても暗い気持ち
ごめんなさい
私が気づけばこんなことにはならなかったのに
今日は快晴
まるで祝福しているみたい
あれ?どういうこと?
なぜか良い気持ち
その時わかってしまった
言葉に出すのが怖い
だから最後にこの言葉を
私は先まで記憶喪失だったのだ
#快晴