暗い夜道をひとり歩けば
ザァーザァーと
前触れもなく降り出す雨の
意地の悪さよ
僕には雨をしのぐ傘もなければ
屋根もないのに
惨めったらしく濡れろという
意固地になって
地面を叩きつける激しい雨を
失望させてやろうと
だらりと両腕をおろし
不敵な笑みをうかべ佇んでやる
バカめ
お前の意地悪になど
僕が屈するわけなかろうと
お題:雨に佇む
昨日も今日も、きっと明日も明後日も平凡な日なんじゃないかしら。
10代のころから続けている日記を書こうとペンを握る手がピタリと止まる。
だってわたしの今日は在宅ワークの合間に昼食を買いにコンビニへ行ったり、お天気が悪いからコインランドリーでお洗濯物を乾かしたりだったり、そんなことしかしていないんだもの。
別にSNSに投稿された人たちのようにキラキラ輝かしい生活を送りたいとかいうわけではないけれど、それでもやっぱりほんの少しの変化や潤いは欲しいなと思ってしまうの。
だって未来のわたしがこの日記を読み返したとき、懐かしむことなんてできるのかしら?
そう考えると憂鬱になってしまい、ペンを持つ手とは反対に置いてあるコーヒーカップを手に取る。
……はずだったのに目測がずれてカップを倒してしまい、見る見るうちに机の上が黒の液体でビッショリと濡れて、それは広げた日記にも広がって
慌ててティッシュをつかみ取り、できる範囲で拭き取ったものの茶色く染まったページは残ってしまった。
お題:私の日記
君と僕は表裏一体
君が善で僕は悪
君が全てに対して愛を注ぐなら
僕は愛を注がれた全てを憎むだろう
向かい合わせに座り
僕たちの瞳を合わせれば
君の瞳には僕がいる
悪に染まった僕
僕の瞳には君がいる
善なる君のはず
だが善の君に浮かぶ表情
それは嫌悪のものでしかない
おお、なんと甘美なることか!
伸ばした足先から融合し
僕たちは人間となる
平凡なる人間へと
お題:向かい合わせ
今日は誤解を招く発言をしてしまった。
そういった意味ではないと弁解したくても、口を開けば開くほど最悪の事態にしかならない。
やるせない気持ちとは、こういう事をいうのだろう。
お題:やるせない気持ち