約束だよ 2025.6.3
卒業と同時に
上京したあなたと
最後に過ごした日
泣いてばかりいる私と約束をかわした
すぐに会いにくると
半年を過ぎたころから
会う日やLINEのやり取りも少なくなり
あなたの笑顔も寝顔も体温さえも忘れてしまいそう
遠く離れてしまうと
気持ちも離れてしまうのかな
約束だよ
あなたの声も言葉も遠くに感じる
悲しいはずなのに涙が出てこない
傘の中の秘密 2025.6.2
入学したての頃から憧れていた
先輩は校舎が違うので
あまり見かけない
偶然会えたときは嬉しすぎて
授業に身が入らない
終礼のあと教室を出る
誰かの雨が降ってる!という声が廊下に響く
傘を広げ正門に向かう
あっ!先輩の後ろ姿を発見
同時に隣にいるロングヘアの人も見つけた
ひとつの傘に入って寄り添っている
目の前の現実を受け入れた途端
ぐっと込み上げてくる想い
涙が溢れてきてどうすることもできない
先輩に気付かれたくない
そして傘で顔を隠した
雨上がり 2025.6.1
雨上がりの朝
窓から見える
色とりどりに咲いた紫陽花
木漏れ日に照らされ
雨粒が宝石のように輝いている
雨上がりの夕方
空は水彩画のような薄いピンク色
木々や植物、建物に道路
すべての物の色彩が雨によって濃く色づき
目に映る
雨の日の風景を見るのも楽しい
勝ち負けなんて 2025.5.31
勝ち負けなんて
結果でしかない
もちろんやるからには勝ちたいだろうけど
それだけに囚われて身動きが取れなくなるなら
一度立ち止まってみよう
そしてそこに至るまでの過程に目を向けてみる
周りの声に耳を傾けてみる
すると新しい発見や考えが見つかり
もっと世界が広がるよ
まだ続く物語 2025.5.30
出会って
付き合うようになって
一緒に過ごすようになった
笑って
泣いて
喧嘩して
仲直りの繰り返し
そして
あなたの髪は白いものが混じるようになって
わたしは近くが見えにくくなり
眼鏡をかけるようになって
ゆっくりと歳を重ねている
まだ続く物語が
明るく笑顔になるもので
ありますように