やまと

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6/5/2023, 11:29:24 AM

誰にも言えない秘密
誰にも言えない秘密を打ち明けると、
誰にでも言える話だと思います。
学生時代、10年間好きな人がいました。
成人になって近所で偶然再会して、
隣にお付き合いしてそうな方がおられて、
その夜、枕を濡らして眠りました。
一度だけ、通学中に好きな方が電車で隣に座って来たことは誰にも言えない秘密。
顔がリンゴのようになった。

6/4/2023, 10:30:48 AM

狭い部屋
幼い頃は六歳年上の姉と同室だった。
広さ六畳を二人で使い、タンスと二段ベッドに学習机が二つ。歩けるスペースがほとんどない狭い部屋だった。
私はそれが嫌だった。友達の家に行くと自分の部屋があって羨ましかった。
だけど、姉が進学して、いざ一人だけの部屋になると寂しさがこみ上げた。
壁にあった英単語のメモや落書きをした本人がいなくなった。取り残された学習机と上段のベッド。
どれだけケンカをしても、慣れない手紙を書いて、会いに行きたいと思えた。

6/3/2023, 10:35:43 AM

失恋
優しい声や何気ない仕草が頭によぎる。意識してるわけではないのに思い出す。
寂しさが日常のどこかに紛れ込んでいる。そんな時に古傷を触るような感覚になる。
楽しいことは沢山あるのにひとりぼっちなんだと思い知らされる。
悲しみや孤独を連れてきてくれる。

6/2/2023, 10:38:27 AM

正直
コーヒーミルで豆を粉砕して香りが漂う。
いつも決まった粉の量で、湯の温度をきっちり測る。父は正直に言ってマメだと思う。
私の淹れたコーヒーは正直に言って苦い。
母が思わず顔をしかめるほどだ。
コーヒーアレルギーを持つ私でも、父の淹れたコーヒーは何度も口にする。
誰かのために作ったものはそれだけで美味しくて、正直に美味しいと伝えられる私でありたい。


6/1/2023, 1:49:15 PM

梅雨
梅雨時期に最寄りの公園でアジサイが見られる。よく足を運んで、紫、白、薄桃と色とりどりのアジサイを楽しんだ。だけど、管理の手が届かなくなり、今ではそのアジサイは病気になっている。アジサイは生きている。まるで、生死を見るようで人の生き様も同じものなのだろうかと思い耽った。
小さな公園で人生という尊さと儚さを感じた。

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