どうすればよいのかわからず
これが恋なのか、どうなのかもわからず
はっきりとさせないままに
そのまま置きっぱなしにしていた初恋
いつの間にか傷んでしまった

遠い思い出
どうすればよいか今ならわかる、それなりに
傷ませてしまうような、切ない恋を再び

雨に紛れた蛙のように
雨音に紛れて気付かれなかった蛙のように
私が、すうっと傷んでしまう前に



「梅雨」

逃げる、ただひたすら逃げる
追い詰める全てから、
飲みこまれそうな全てから、
無意識、無神経、無理解という全てから、
自責という罠から、事実から、
息を切らし、
じっとりと額にまとわりつく前髪を直す暇もなく、
逃げ切れず、
よく諦める、
立ち止まっても、また進む力もなく、
諦める、
諦めきれず、
ひたすら逃げる夢を見る

ごめん
ごめんね
昨日の
明日の
未来も
今も
ごめん
明日から頑張る

半袖に包まれて
はみ出した
たわわな二の腕を
隠さず歩く爽快さを
いつか
自分の勇気の力で
手に入れてみたい

月に願いを、などと所詮それは幻
それでも、私でも願っても良いのならば
どうか月よ
その姿を現しておくれ
そうしてお前の頬に口付けをさせておくれ
暗闇が照らすこの大地に
わずかばかりの明かりを灯しておくれ
お前が多くの願いに飲み込まれぬよう
私にそうっと願わせておくれ