テーマ「澄んだ瞳」
今日の晩御飯は魚だ。
おいしそう。
この魚も、澄んだ瞳だったのだろう。
食べちゃうけど。
命に感謝して、
「いただきます」
テーマ「嵐が来ようとも」
ピンポン♪
⸺だれ?こんな時間に。
突然鳴ったチャイムに若干イラッとしながら
玄関に向かう。
穴から外を覗く。
あれ。誰もいないじゃないか。
少しだけ背筋がぞくっとする。
イタズラ?
もちろんそうなら良いのだが。
とりあえず部屋に戻ろうとすると、
ピンポン♪
またしてもチャイムが鳴らされたのだ。
え?本当に何なの?
だれなの。
もしかしたらドアの穴からは見えない位置に人がいるのかも?
おそるおそる鍵に手をかける。
ガチャリ
鍵をあける。
ドアを開けるとそこには‥。
ーやはり、だれもいなかった。
すると部屋の中からガシャンと何かが落ちて割れる音がした。
心臓が止まるかと思った。
そういえば今日は‥
ぜったいに何があっても部屋から出るなと言われていた気がする。
チャイムが鳴って人が訪ねてきても、電話で友人に呼び出されても、外の様子が気になるほどの嵐が来ようとも…。
あぁ、…なぜ、
ワスれていたノだろウカ。
テーマ「祭り」
わたしは、祭りで定番のりんご飴を食べたことがなかった。しかし今ではりんご飴専門店までできるほど身近なスイーツに感じるものになってしまった。お祭りでしか、売られていないイメージしかなかったのに。
食べたことがないし食べてみたいと思って、ちょうどキッチンカーがフルーツ飴をやる日に私は思い切って買ってみた。
一口食べて、はっとする。今まで、こんなおいしいものを食べたことがなかったなんて、もったいないな、って思ったのだ。外側の飴がぱりっとし、中のりんごはジューシーでしゃくしゃくしていて、その食感が何ともたまらない。ただりんごを齧るだけではこの感激はないはずだ。
しかし値段はそこそこするので、頻繁に買えるものではない。自分でもいつか作ってみたいなとそう思うのだった。
テーマ「神様が舞い降りてきて、こう言った」
私に興味がないくせに
暇つぶしだとか何とか言って
会いに来る男
暇なんだなぁ、なんて思いながらも
私なんかに会いに来てくれることが
心底嬉しかったのを覚えている。
あれは
遠い日の記憶だね
長い長い眠りにつく前に
やっぱり顔くらい見ておきたかったと
少しばかり胸が痛む
もう少し
もう少しだけ
時間があったら
なんて
あの時は…
神様が舞い降りてきて、こう言った
今は今でいいじゃない
と。
たしかにそうだね
と。
自分の言葉に自分で返したのと変わらない
ただの妄想だ、こんなのは。
テーマ「誰かのためになるならば」
したくないなぁなんて思うこと、めんどくさいなぁと思うこと。
毎日ある。
なんでこんなことしないといけないのか
なんであんたじゃなくて
私ばっかりやらないといけないの。
めんどくさいな
私じゃなくてもできるじゃない。
むしろたまには他の人もやるべき。
私がやらなきゃいけないルールないし。
はぁ、しかたない。
誰かのためになるならば…
褒められなくても感謝すらもされなくても。
やることにするか、そう思って
やりたくないことに取り組んだ。
まぁ、やりたくないからといってやらなくていいわけではない。
ましてや仕事なら、しかたがない。
むしろやらないとめんどうなことにもなるし、
結局自分のためかもしれないなと
そう思う暑い日の夕方。