★衣替え★
私がまだ小さい頃は、母が私や兄弟のタンスの中身を入れ替えてくれていたっけ。
姉と兄が家を出た今、タンスを一人占めできるようになった私。
衣替えの必要はなくなって、服の管理ももちろん全て自分でしてる。
衣替えではないけど、今なら春夏、夏には秋冬の服の整理を、ふと思い立ってする時がある。
着なくなった服って、意外に出てくるもので(笑)
そういう時、ふと人生って流れてるんだな~と感じる。
★忘れたくても忘れられない★
これまでの人生で、こんなにも強く強く思ったことはなかった。
出会ったこと。
それからのこと。
貴方に恋をしたこと。
それは 片想いだってこと。
忘れようとした。あなたへの気持ちを。
後悔にはしたくなかった。あなたに出会ったこと、惹かれたことを。
叶わないなら……
いずれ会えなくなるなら……
でも、無理みたい。
忘れようとすればするほど、自分の中のあなたの存在の大きさを、痛いくらい実感してしまう。
忘れるなんてできない。
忘れたくない。
★子供のように★
泣いたり、笑ったり、怒ったり。
喜びや幸せの感情すらも、大人になるにつれ、押し殺す術を身に付けていく。
人前で泣いたら恥ずかしいとか。
人前で激情したら大人げないとか。
人前で飛んで喜んだらはしたないとか。
もちろん、時には我慢も必要。
だけど、子どものように素直な感情を出せたならって思う時もある。
どんな大人だって、子どもの頃はあったんだ。
誰もがみんな、喜びや悲しみを素直に出せる世界だったら、世の中って今とは少し違うものになっていたのかな。
★カーテン★
今でもハッキリ覚えてる。
手術の前の日のこと。
ベッドの上で一人……手術の不安や家族と離れて過ごす心細さで落ち着かなかった、そんな時ーーー
「佑紡希さーん」
聞き覚えのある、大好きで温かな声が私の名前を呼んだ。
静かな病室に、先生の優しい声が響く。
返事を返すとカーテンがそっと開いて……そこには初めて見る、白衣姿の先生が立っていて。
ドクン…心臓が少し大きく鳴ったのがわかった。
あれ…?白衣ってこんなに眩しかったっけ…?
それと同時に、不安で固まっていた気持ちが不思議とほどけていった。
あ……そうか。きっとそうなんだ。
先生。
私あの日のこと、きっと忘れられない。
先生への“信頼”だけじゃない気持ちに気付いてしまった
あの日のことを……。
★涙の理由★
よく泣くようになったな……自分でもそう思う。
大好きな優しい目。
大好きな低く穏やかな声。
大好きな温かくて力強い手。
大好きな……大好きな人……。
近くてとても遠い距離。
出会ってからの沢山の記憶。
だけど、想いは叶わない。
なのに、どんどん強くなる気持ち。
貴方が、どんどん大きく大事な存在になっていく。
今、会えている幸せ。
そう遠くない未来、会えなくなる不安。
涙の理由……
たった一人の人を好きになるのって
こんなにも幸せで、こんなにも苦しい気持ちなんだ