・・·・・· 手を繋いで ・・·・・·・・· ·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・・・·
·・・·・・·・・·・・·・・· ・ Je suis en train d'écrire. ・·・・· ·・・·・・·・・・・·
・・·・・· どこ? ・・·・・·・・· ·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・・·・・·
·・・·・・·・・·・・·・・· ・ Je suis en train d'écrire. ・·・・· ·・・·・・·・・・・·
・・·・・· 大好き ・・·・・·・・· ·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・・・
·・・·・・·・・·・・·・・· ・ Je suis en train d'écrire. ・·・・· ·・・·・・·・・・・·
・・·・・· 叶わぬ夢 ・・·・・·・・· ·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・・・・
シャンペンを注いだ細長い二つのグラスをホテルのテーブルに並べ置き、ソファに腰掛ける。
向かいのソファには相棒のヴァイオリンをくつろがせ、今日まで一緒に健闘した思い出を振り返り、切ない溜息を一つつく。
コンクールの結果、今回も頂上には辿り着けなかった。
なのでシャンペンで、相棒と二人きりの、恒例のささやかな残念会。
―― my longest dream ――
叶わぬ夢に終わるかも知れない。でも、かまうものか。
すぐに手が届くものなど no thanks 。
心地よいもどかしさはクセになる。
ベランダの窓から見える夕暮れは薔薇色の空。街のあかりがシャンペンの泡のようにキラキラと浮かび、私はカチンとグラスを軽く打ち鳴らして、甘い敗北に乾杯した。
·・・·・・·・・·・・·・・· ・ C'est fini ・·・・· ·・・·・・·・・・・·・・·・・·・
·・・·・・·・・・·・・·・・·・・·・・·・・・·・ 20250405 ·・・・・·・・·・・·・
・・·・・· 花の香りと共に ・・·・・·・・· ·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・
今朝も見慣れたオフィス街を歩いて出勤する。
冷え戻りのためかなり肌寒い気温だが、明るい陽の光は春を感じさせ、心が浮き立つようだ。
ふと気配を感じて前方に注意を向けると、白のスプリングコートを身に纏った美しい女性が向かいから歩いて来た。
彼女も同じく出勤途中なのだろう。優雅な足取りで、肩までの波打つ金色の髪を軽やかに揺らせながら歩いている。その可憐な姿を気付かれぬように見惚れつつ擦れ違った。
その瞬間 ―― 漂ってきた、甘い春の香り ――
それが僕をふいに立ち止まらせ、視線を彼女の方へと振り向かせた。
すると彼女も振り返り、茫然と見つめる僕の顔へ、そよ風のような微笑みをふわりと向けてくれた。
が、すぐに何事もなかったかのように、目の前から歩き去って行った。花の香りと共に ――
不意打ちの fall in love ――
くそっ、春のやつめ。
明日の朝も会えるだろうか ―― 更に浮き立った心で、僕も自分のオフィスへと再び歩き出した。
·・・·・・·・・·・・·・・· ・ C'est fini ・·・・· ·・・·・・·・・・・·・・·・・·・
·・・·・・·・・・·・・·・・·・・·・・·・・・·・ 20250317 ·・・・・·・・·・・·・