a glass palm tree

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3/18/2025, 2:07:12 PM

・・·・・· 大好き ・・·・・·・・· ·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・・・




·・・·・・·・・·・・·・・· ・ Je suis en train d'écrire. ・·・・· ·・・·・・·・・・・·

3/17/2025, 1:09:11 PM

・・·・・· 叶わぬ夢 ・・·・・·・・· ·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・・・・


シャンペンを注いだ細長い二つのグラスをホテルのテーブルに並べ置き、ソファに腰掛ける。

向かいのソファには相棒のヴァイオリンをくつろがせ、今日まで一緒に健闘した思い出を振り返り、切ない溜息を一つつく。

コンクールの結果、今回も頂上には辿り着けなかった。

なのでシャンペンで、相棒と二人きりの、恒例のささやかな残念会。

―― my longest dream ――

叶わぬ夢に終わるかも知れない。でも、かまうものか。

すぐに手が届くものなど no thanks 。
心地よいもどかしさはクセになる。

ベランダの窓から見える夕暮れは薔薇色の空。街のあかりがシャンペンの泡のようにキラキラと浮かび、私はカチンとグラスを軽く打ち鳴らして、甘い敗北に乾杯した。


·・・·・・·・・·・・·・・· ・ C'est fini ・·・・· ·・・·・・·・・・・·・・·・・·・

·・・·・・·・・・·・・·・・·・・·・・·・・・·・ 20250405 ·・・・・·・・·・・·・

3/16/2025, 1:10:17 PM



・・·・・· 花の香りと共に ・・·・・·・・· ·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・


今朝も見慣れたオフィス街を歩いて出勤する。
冷え戻りのためかなり肌寒い気温だが、明るい陽の光は春を感じさせ、心が浮き立つようだ。

ふと気配を感じて前方に注意を向けると、白のスプリングコートを身に纏った美しい女性が向かいから歩いて来た。

彼女も同じく出勤途中なのだろう。優雅な足取りで、肩までの波打つ金色の髪を軽やかに揺らせながら歩いている。その可憐な姿を気付かれぬように見惚れつつ擦れ違った。

その瞬間 ―― 漂ってきた、甘い春の香り ――

それが僕をふいに立ち止まらせ、視線を彼女の方へと振り向かせた。

すると彼女も振り返り、茫然と見つめる僕の顔へ、そよ風のような微笑みをふわりと向けてくれた。
が、すぐに何事もなかったかのように、目の前から歩き去って行った。花の香りと共に ――

不意打ちの fall in love ――

くそっ、春のやつめ。


明日の朝も会えるだろうか ―― 更に浮き立った心で、僕も自分のオフィスへと再び歩き出した。


·・・·・・·・・·・・·・・· ・ C'est fini ・·・・· ·・・·・・·・・・・·・・·・・·・

·・・·・・·・・・·・・·・・·・・·・・·・・・·・ 20250317 ·・・・・·・・·・・·・


3/15/2025, 6:26:18 PM

・・·・・· 心のざわめき ・・·・・·・・· ·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・·・・


春先の不安定な天気。薄暗い灰色の空、ガラス窓を見上げれば伝い落ちる雨の雫が……

午後の coffee break time。心地よく静かなBGMが流れるこのカフェで小一時間も過ごしているというのに、まだ心のざわめきは鎮まらない。

思わず溜め息が出て窓から目を逸らそうとした時、カラフルな光を明滅させながら空を横切る国際便の巨大なジェット機の姿が見えた。

このまま時が止まれば良い ―― そんなことを思いながら頬杖をついて、美しい人工物が雲の間に消えていくのを気怠い気分で眺めていた。


·・・·・・·・・·・・·・・· ・ C'est fini ・·・・· ·・・·・・·・・・・·・・·・・·・

·・・·・・·・・・·・・·・・·・・·・・·・・・·・ 20250315 ·・・・・·・・·・・·・