通り雨
外を歩いていると、雨が降ってきた。
天気予報では晴れだった為、傘は持っていない。
急いで近場の飲食店に入った。
街中だった事が不幸中の幸いだろう。
席について気づいた。
金があまり無い。
幸い空いているファミレスだ。
飲み物だけでしばらく居座らせてもらおう。
運がいいのか悪いのか、よく分からない日になった。
秋
秋になり、過ごしやすい気候になる。
衣替えのタイミングに困る季節でもある。
最近では秋が短くなっているが、いつか栗や秋刀魚が楽しめなくなる日が来るのだろうか。
現在は保存技術が発達し一年中食べられる物も多いが、旬や採れたてにこだわる人もいるだろう。
いっそ秋がなくなり秋の物も無くなった方が諦めがつくのではないか。
窓から見える景色
閉めた窓の向こう側に虫が止まっている。
裏側がよく見える。
しばらく見ていたら飛び去っていった。
虫の裏側など図鑑でくらいしか見た事がない。
他に見るとすればテレビやパソコンだろう。
捕まえて裏側まで観察するのは虫好きの人ぐらいだ。
そう思うと貴重なものを見たのかもしれない。
形の無いもの
水には形がない。
しかしグラスに入れれば象る事はできる。
風にも形がない。
袋に入れれば象れるが、それは風だろうか。
風ではなくただの空気ではないだろうか。
竜巻であれば渦巻のような形と言えるだろうが、普通の風には形はなく象る事もできない。
研究や技術が進めば風にも形ができるだろうか。
ジャングルジム
子供の頃によく遊んだジャングルジムに登る。
記憶にあるほど高くない。
思い出の景色は大人になると小さく見えるというのは本当のようだ。
しばらく周りを眺めていると、数人の人が近づいてきた。
大人も遊びたいよななどと考えていると声をかけられた。
子供が遊べないから降りろとのこと。
ベンチに移動し遊んでいる子供を見ているが、不審な目で見られている。
暇を持て余しているだけなのだが。
これ以上あらぬ疑いをかけられぬ内にこの場を去ろう。