鏡
最近、鏡の中の自分が違う動きをする。
イタズラでこのような事ができるだろうか。
病気か心霊現象のどちらかだろう。
久々に鏡をじっと見てみる。
向こうの私が私を見つめている。
動いてみると、向こうの私は私の真似をする。
動きが遅れる事もなく、同時に同じ動きをする。
そのような芸当が可能だろうか。
予知能力でもあるのか。
鏡を塞いだら、向こうの私は私を恨むだろうか。
危害を加えられる前に、何とかして動きを封じたい。
いつまでも捨てられないもの
あいつはもういい年だ。
夢を追うより堅実に生きるべきだ。
私はそう言い続けている。
夢を追う事が悪いとは思わない。
一部の人にでも認められているのなら。
生活に必要な収入を得て、空いた時間にやるのなら。
それなら私も応援できる。
しかしあいつには、そのどちらも無い。
夢を捨てられない気持ちも分からなくはないが、年齢や現実は常に付き纏う。
生活ができなくなれば、夢を追う事もできない。
今度は強めに夢など捨てろと言ってみようか。
誇らしさ
私には誇れるものが無い。
幼い頃からそうだった。
兄弟や友人と比べられ、私はいつも劣っていた。
家族や関係者達と縁を切り、一人になって気がついた。
私は劣ってなどいない。
周囲の人たちに評価されている。
世辞や社交辞令では無いと自負できる。
今の私は私自身が誇らしい。
夜の海
夜の海に入る。
街から離れ外灯も少ない場所だ。
人知れず楽しむ為に来たが、恐ろしい。
開放感があるだろうと思ったのだが。
未知の生物でも出てきそうな雰囲気だ。
すぐに海から上がり、帰り支度を整える。
気づいた時には無事に帰れる事を祈っていた。
明日には友人に勧めよう。
自転車に乗って
自転車で坂を下る。
注意が必要だが、楽だ。
しかし上りはキツイ。
自転車は徒歩より早く楽だが、上り坂になると徒歩よりずっと辛い。
自転車を押して歩く方が楽な程だ。
「人生楽ありゃ苦もあるさ」
まさにその通りだ。