星空
深夜に目が覚めた。
眠れそうになく、空を見上げた。
星空が広がっている。
昔は星で方角を知ったそうだが、私には分からない。
方位磁石すら最後に見たのは子供の頃だ。
今の時代、方角など分からなくても目的地には辿り着ける。
そんな事を考えながら、意識して星を見てみる。
区別がつかない。
星で方角を知る時代に生まれていたら、私は生き延びられただろうか。
神様だけが知っている
私の未来はどうなるんだろう?
夢は叶う?
あの人とは結ばれる?
家は?収入は?
結婚は?子供は?
未来のことは分からない。
私にも誰にも。
神様は知ってるよね。
もしも神様と話せたら、訊くべきかな?
訊きたいけど、訊きたくないよ。
この道の先に
私には夢がある。
毎日努力をしている。
でも最近、叶わないと思い始めた。
夢を目指すのにより良い環境に来て、私は大したことはないと気付かされた。
努力は報われるというのは嘘だ。
ここにいる人は皆努力をしている。
それでも夢が叶うのは一部の人だけだ。
多くの人の努力は報われず、夢は叶わない。
このまま進み続けていいのかな。
この道の先に何かあるのかな。
夢が破れても得るものがあるなら、努力が報われたと言えるのかな。
日差し
雨や曇りの日でも、雲の上は晴れているよ。
夜でも、地球の裏は昼だよ。
どんな時も、どこかに必ず日差しはあるよ。
そんな事知ってるよ。
今、この場の暗闇が辛いんだよ。
別の場所や時間に日差しがあっても、その日差しは私には差していないんだよ。
あなたはそんな暗闇を経験した事がないのかな。
幸せで良かったね。
いつか終わると思えないほどの苦しみがあるんだよ。
それが分からないほど幸せな人生なんだね。
良かったね。
窓越しに見えるのは
家の窓から見える景色は変わらない。
住宅街の景色など、そう変わるものではない。
この窓から景色を見ることなど滅多にない。
しかし、今日は何か違和感を覚え周囲を見てみた。
向かいの家で何かしているようだ。
そう思うと、怒号と悲鳴が聞こえた。
窓を閉めていても聞こえるのだ。
相当な大声だろう。
近所で事件などやめてもらいたいが、巻き込まれるのはもっとごめんだ。
サイレンが聞こえる事のないよう願い、私はそっと窓から離れた。