- どうして -
気づいたらもう遅かった
だったら気づかなくていいよ
天の川で目隠しさせて
超新星は目に毒なんです
星のとげの痛みが心地いいんです
すべてブラックホールに捨てました
このまま授業を受けてもいいですか
いいですよ
新しく来た担任は笑ってそう答えた きっと
- 夢を見てたい -
あの星を抱きしめて ずっと夢を見ていたい
ろうそくのひかり ビーズのつやつや はじけるシナプス
ずっと輪郭を失っていたいの
ずっと ずっと まどろんで…
いつかは夢の中で暮らせますように
いつかは現実に希望が持てますように
- ずっとこのまま -
僕の指に君の指を合わせてみて
僕の指紋の凹凸は君の指紋の凸凹なんです
このまま僕の過不足を埋めてください
- 寒さが身に染みて -
メンソール入りのリップを私は使うことができません
別にアレルギーというわけではないの
唇が荒れることもありませんし、動悸や眩暈が起きることもありません
ただ、ひどく寒くなるんです それを使うと
身体の芯が震えて、歯を食器みたいにかちかちと鳴らして、毛布にくるまらないといけません
冬の寒空の下なんかで塗ってしまった日には もう駄目です 一度それをしてそのまま風邪をひいてしまったことがあるのです
だから ごめんなさい
あなたからの贈り物は受け取れません
妹さんなどに差し上げたらどうでしょう
あ、一人っ子なのですね。羨ましい
え?
それなら、僕が……ですか?
何が言いたいんですか?
…
……
………それ本気で言ってますか?
嫌です
気持ち悪い
- 20歳 -
私をシールの中に閉じ込めてください
きらきらとしたプラスチックを被せてください
星屑が漂う色水の中で揺蕩わせてください
私を剥離紙に乗せて 指でぎゅっと押し込んで かわいいバインダーで綴じてください
そのままあなたのシール帳のすみっこで 眠らせてください
誰かと交換なんか しないで
ずっと19歳のまま 私を保存して