【そっと包み込んで】
君は僕を優しく包み込んで
優しく頭を撫でてくれた
その暖かさにぼくは涙をこぼした
その直後
僕の病態は一変した
僕の体はスライムみたいになって
おかしくなった
それでも君の態度は変わらなかった
今度は僕の番さ
僕はもう動けないけど
優しく君を包み込んで
お礼を言った
言いたかったのに
僕の中で君は静かに溶けていった
なんで
って思ったら
僕の体は酸で出来てたみたいなんだ
なんで
なんで誰も教えてくれなかったの
【空に溶ける】
僕らは空に溶けて行く
暗く黒い空へと
どうすればいいのか
どうすれば抜け出せるのか
そんな事を考えている君と違い
僕は諦めた
ただ溶けて行くだけ
でも
君は溶けて欲しくないから
君を掴んで
遠くへ放り投げた
ごめんね
君は吃驚して
でも瞬時に状況を理解して
僕も助けようと
手を伸ばしてくれた
だが
僅かに届かない
これで良いんだ
これで良かったんだよ
そうだろ?
【どうしても…】
どうしても…
どうしても……
誰も
誰も気付いてくれないのー
僕は
僕は
ここにいるよ?
なんで
なんで
気付いてくれないの?
何をしても
何をしたとしても
誰も気付かない
僕は君達に
触れられない
君達がおかしいの?
それとも
僕がおかしくなってきまったの…?
あいつが
どうしても…
何しても見つからない!
また明日遊ぼって言ったのに
行方不明ってなんなんだよ
そこにいればいいのに
【まって】
待って!
待ってよ
君が居なくなったら
僕はどうなるのさ!?
行かないで
行かないでよ!
まって
まってよ
ぼくを置いていかないで
ぼくがわるかったよ!
行かないで!
いかないでってば
まって
おねがい
まってよ
いかないで
いかないでよ
ねえ
きいてるの?
最近だれかが
私を追って来る
走って来る
手紙もくる
怖い怖い怖い
なんなの
一体
誰なの
一体
【まだ知らない世界】
僕達はこの世界を
知り尽くしたと思っていた
でもまだまだ
知らないものがいっぱいだ
だからまだ未知の
まだこの世界は
知らない世界なんだって
実感するんだ