11/13/2023, 10:31:09 AM
雨
傘を抱えて
わざと濡れた帰り道
濡れた靴下を抱えて
車の喧騒に飲まれながら言った
雨
傷を抱えて
俯いたままの帰り道
変なプライドを捨てて
車の喧騒に飲まれながら言った
雨
卒業証書を抱えて
もう通ることの無い帰り道
暗い将来を抱えてるとも知らず
車の喧騒に飲まれながら言った
晴れ
憂鬱を抱えて
もうまたねはない帰り道
錆れた現実を抱えて
車の喧騒に飲まれながら言った
「 」
また会いましょう
11/11/2023, 1:30:56 AM
下校路
名前も知らない雑草を
触り帰った日
血の流れる親指と
ほれみろと嗤うお前
下校路
名前も知らない雑草を
集め帰った日
ススキだって喜ぶお前を
それススキじゃないと嗤う
あれ名前なんなんだろうな
ススキ
10/22/2023, 2:16:49 AM
「つまんないね」
握りしめた原稿用紙
ペンだこをやけに引っ掻いて
「マンネリじゃない?」
握りしめた原稿用紙
タイトルをやけに見つめて
「なんか微妙」
書きかけの原稿用紙
消しゴムをやけに握って
「目標今週」
真っさらな原稿用紙
文字1つ浮かばなくて
「我儘を言わせて」
喉が渇くまで
鉄の味がするまで
語りつくしていいなら
喉が枯れるまで
10/20/2023, 11:16:35 AM
ガラスの破片
あとの祭りもいいところ
右手の熱い血と
凍りついた顔
ガラスの破片
いかんせん懲りなくて
逃げ足の早い感情の
尻拭いはいつだって理性
ガラスの破片
謝罪じゃ足りなくて
右手のガーゼと
小汚い足先
罪悪感の破片
射殺じゃ足りなくて
いつだってそうと
何度でも
始まりはいつも
10/14/2023, 8:59:59 AM
やけに窮屈な集団
無理に抜け出した誰か
「なんて皆幼稚なんだ」
無理に抜け出した誰か
集団は罵詈雑言に溢れる
「なんて幼稚な奴なんだ」
言い合う1人と集団
それはあまりに幼稚で
子供のように