人の群れ
息つく暇もなく
思惑が流れ出る
頭の中に溶け込んで
掻き混ぜられて
こんな色に
染まりたくなかった

―だから、一人でいたい。

真っ直ぐ単純に
景色を切り取って
本能の赴くまま
感情にまかせて
ふたつの目の中には
あなたがいる

―澄んだ瞳

深い意識の淵
開けずにいたドア
思い切ってノブをひねる
激しい風が鼓膜を震わせ
荒れ狂う波に飲まれ
浮遊感と静寂に漂う
闇雲に手を伸ばす
その先に

―嵐が来ようとも

ずっと一緒
閉じ込めて
世話して悦に入る
君は満足してるのかい
かごを閉じる
少しの罪悪感とともに

―鳥かご

当たり前のように
隣りにいて
手を繋いで
一緒に歩いていく

いつか辿り着く別れ道
悲しくないよ
また会えるよ

離れていく手
一輪の花を残して
あなたを想う

―友情