2025/09/18
遠くへ旅をすると言っても、
行き先が決まってなくちゃ意味が無いの。
今日はその行き先を絵描きと決めたのよ。
まず決める時、絵描きは質問したわ。
「今日、もし世界が終わるなら何をしたい?」
ってね。
私はね、世界の裏側を見てみたいって言った。
そしたら彼は、俺もって、ただ頷いてくれた。
だから、行先は世界の果てに決まったわ。
毎日どこに行くか分からないけれど、
毎日果てに向かってただただ歩くの。
なんだか本当に始まったんだって、
実感が湧いてきたわ!
このネバーランドを抜け出して
二人で世界の裏側へ。
ピーターパンだって、ウェンディだって、
世界に果ての話はきっと無視できないはずよ!
必ず、必ず絵描きと世界の果てに行ってくるわ。
2025/09/17
ピーターパンに挨拶に行ってきたわ。
だけど、ピーターパンは出なかった。
だからウェンディに伝えといたのね。
彼女いわく、ピーターパンは靴紐が解けて歩けないそうなの。
彼ももう大人になったのかしら。
靴紐を自分で結ぶなんて、
そもそも靴紐のある靴を選ぶなんて。
大人に、なったのよね。
私も変わらなくちゃ。
絡まった心を一つ一つ紐解いて、
必ず忘れ去ることにするから。
それまではまだ、靴紐の解けたままでいて。
2025/09/16
昨日言ってた通り、遠くの遠くの誰も知らない街に行こうと思うわ。
ピーターパン達との思い出に決着はついてないし、
絵描きへの気持ちもちゃんと考えてない。
何にも答えは出てないわ、何にもね。
まだ、まだまだ考えたいことがあるの。
だから、明日絵描きと一緒にピーターパン達に挨拶に行って、
列車に乗って遠くの方へ行こうと思ってるの。
それじゃあ、明日は早いから。
答えを早く見つけたいところだけど、
まだかかりそうだから、
私の長い旅に少しの間付き合ってちょうだい。
2025/09/15
私、絵描きと外に出ることにしたの!
昨日意気投合して、外で旅に出ないかって言われたわ。
私全然乗り気じゃなかったけど、
それでも少しでも、絵描きと一緒にいられたらハッビーだもの!
ピーターパンも忘れて、ウェンディも忘れて
私は旅行に出るわ。
もちろん、この日記も続けるつもりよ。
旅行の日記としてね。
2025/09/15
あなたと見上げる月
それはとても悲しく切ないもの
あなたも恋に心を失い、
私と同じ
奈落に落ちた
奈落に落ちたもの同士
またふたりで歩いていこう
昨日、絵描きが家に来て大丈夫?って
私は彼と月を見て
思いつくままに文を書いた。
詩人と絵描きに共通することは、
ロマンチストだってこと。
ふたりともロマンを求めて恋をするけど
結局その恋はあっけなく終わる。
ロマンチックが過ぎて、
誰も相手にしなくなるのよ。
そうやって悲しみを分かちあって、
このふたりがいるってわけね。