「きっと明日も」
平穏無事であるように。 成長ができるように。
刺激的であるように。 生きて会えるように。
きっと明日も様々な人たちが
今日とは違う1日を迎えるのだろう。
「静寂に包まれた部屋」
雨に佇む。聞こえるのは胸の鼓動と雨の音のみ。
そこはあたかも静寂に包まれた部屋のごとく。
僕の心の灯火は、弱い通り雨のような
些細なことでも消えてしまう。
空が泣く。本気の恋と勘違いした苦い香水の香りも
君との予定で埋まったカレンダーも全部洗い流す。
君の心が世界に一つだけではないことを忘れ
突然の君の訪問に僕は踊るように浮かれていた。
時間よ止まれとは言わない。
でも、あの頃の夜景は綺麗だった。夜明け前の
小さな窓から見える景色全てが鮮やかだった。
目が覚めるまでに君の声が聞こえる気がした。
愛する言葉はいらない、ただ……
形のないものを掴むように君を求めてしまうのだ。
君が別れの時を告げる。
不完全な僕はまだ、涙の雨に佇んでいる。
「別れ際に」
何を言おうとどんなことをしようと
別れることは変わらない。
二度と会わないかもしれない。
だけど、お互い後腐れがないよう
「さようなら」だけでそれで終わり。
思い出を大事に抱えて別の方向を見据える。
「ジャングルジム」
一度入ると出られなくなりそうな四角い構造。
服と手に染み付く錆のにおい。
靴底から落ちた砂のざらりとした手触り。
真っ直ぐ登らず、縦に横にあるいは斜めに。
反対側から登る友といつの間にか競争になって
負けるのはいつも自分。
てっぺんに着いたら空を眺めて息を整える。
気づけば辺りは夕暮れに。
友は華麗に着地しバイバイと手を振り駆けて行く。
自分はジャングルジムの途中に止まって
バイバイと手を振り返す。
さよならまた明日。
「秋恋」
凍てつく風が吹く前に貴方の傍へ寄れたなら。
高揚するこの気持ち褪せる前に貴方へ贈る。
月を肴に貴方と語らい、肌寒い日は枕を共に。
秋の夜長は貴方なしでは越えられぬ。
恋うる心に飽きは来ぬ。