夜の海
(はぁ、なんて美しいの…)
そう思いながら、またキャンバスに色をのせる。これが私の日課。
いつも海の景色なんて変わらないじゃないか、という考えを持っている人もいる。でも、そのときの波の様子や天気、そして私の精神状態によって景色は全く異なる。
そうこう考えているうちに、私の日課は終わる。
海よ、また明日!
自転車に乗って
「乗れた、乗れたわ!お母様見て!」
初めて自転車に乗れるようになったとき、そう言ってはしゃいだ私。そのときの私はまだ知らなかった。自転車で重体を追うことになるだなんて…。
ああ、もうあれから4年だわ。こんなに長い間治療を受けてるっていうのに、まだ歩くことさえできないって言うの?辛い、寂しいわ…。お母様、お父様、どうして私を置いて死んでしまったのっ…?
あの日はお母様とお父様と一緒に、自転車で海に行く約束をしていたのよね。約束通り、私たちは海に向かい素晴らしい景色を目の当たりにしていたわ。
…はぁ、やっぱり思い出せない。そのあと何があったのか。執事には、事故で私たちは撥ねられ、庇おうとした両親が犠牲になったと聞いた。私が、両親を殺したの、?いやでも、そんなっ…。いくら考えても仕方がない。せめてもう一度、自転車であの海に行くことができるなら…
心の健康
何、これ。意味わからへんのどすけど。別れる?いやいやいや、何言ってんの。うち、今まで彼にどっぷり執着してきて愛してきたのに、今さらどないすんって言うの?やめよやめよ…。
そうやって文章を取り消すうち。ああ、いつもの繰り返しやわぁ。うちは、彼のことを仰山愛してんのに、どうしてわかってくれへんの?あいつはどうして彼が好かんのやろう、?
あーあ。めんどくせぇなあ。“別れよ“…っと、これでよし!ほんっと気に食わねえ。俺はさっさと別れたいのにあいつのせいで話が進まないじゃないかよー
全く…いつも気が合わないのね。でも決めるのは主である私よ。“多重人格“は大変だわ。もう少し、うまく操れるようになれないかしら…。まぁ、みんな健康的に生活できているようでよかったわ。みんなが健康でいられるように、主である私が健康管理しないとね…。